44年ぶりのワールドカップ本戦出場を果たした北韓。初戦の相手はブラジル。スコアこそ1‐2の惜敗だが、試合内容はどうだったろうか。
5+3バックという異例ともいえる守備型フォーメーションで前半こそ失点を防いだが通用したのはここまで。後半、サッカー王国のテクニックとスピードを見せつけられた。第2戦は44年前に3‐0から逆転負けを喫したポルトガル。しかし、リベンジならず0‐7の大敗。世界の壁を痛感したことだろう。
初出場だった66年イングランド大会。イタリア戦で「4段ジャンプ」という秘策を披露し1‐0で奇跡の勝利を飾り、ベスト8入り。今でも伝説となっている。今大会も何かやらかしてくれると期待していたのだが…。
北韓代表の中で注目を浴びているのが在日同胞の鄭大世。丸刈りにつり上がった目もと。決してイケメンとは言い難いが、何となく親しみを感じてしまうのは私だけだろうか?
初戦、試合前の国歌演奏では感極まったのか、大泣きしていた。在日3世の彼は父が韓国籍、母が朝鮮籍で国籍は「大韓民国」。FIFAは特例として北韓代表として認定した。朝総連の働きかけでパスポートは北韓が発給した。
似たような同胞が少なくない。朝鮮学校に16年間通った彼は、多くの朝鮮学校出身者と同様に、自分の祖国は韓国よりも北韓だとの考えを持つようになった。教育とは恐ろしい。
北韓サッカー協会のソン・グァンホ副会長は「優勝する。親愛なる金正日様が絶大な支持をしているから」と語っていたが、ポルトガルに0‐7と大敗したのは、「絶大な支持」が得られなかったから?(Z)
(2010.6.23 民団新聞)