挑発封鎖へ国際協調
安保理の断固対応促す
李明博大統領は、カナダ・トロントでの世界20カ国・地域首脳会議(G20サミット)出席(26〜27日)を利用して、北韓の魚雷攻撃による海軍哨戒艦「天安」沈没事件を巡る国連安全保障理事会の協議で北韓を非難する決議の採択などを目指し「天安艦外交」を活発に展開している。米国、日本、中国をはじめ各国首脳と相次いで会談した。G20会議終了後には、現安保理議長国のメキシコも公式訪問する。
「統制権」の移管延期 韓米合意
G20首脳会議に出席するため26日カナダ入りした李大統領は同日、トロントでオバマ米大統領と会談し、2012年4月17日に予定されていた韓米連合軍司令官(在韓米軍司令官)から韓国軍への戦時作戦統制権移管を、「15年12月1日」に約3年7カ月延期することで合意した。
両首脳は、移管時期を再検討した結果、安保環境の変化を考慮し時期を調整することで一致した。戦時作戦統制権は盧武鉉政府時の2007年2月、韓米連合軍司令官から韓国軍に移管することで韓米が合意したが、昨年5月の北韓による核実験、ことし3月の天安艦事件を受け、移管時期を延期すべきとの意見が台頭。両国が水面下で交渉を進めてきた。
李大統領は天安艦事件と関連し、オバマ大統領の全面的な支持と米国政府の揺るぎない対韓防衛公約に感謝の意を示した。両首脳は、天安艦事件は韓国戦争休戦協定、国連憲章などの国際合意に違反した北韓の明白な軍事挑発であり、断固とした対応が必要なことを再確認した。
「強いメッセージが必要」 菅首相
李大統領は26日、菅直人日本首相と首相就任後初の韓日首脳会談を行い、天安艦事件について、安保理での処理過程において、両国が継続して緊密に共助し、北韓に対する明確で強いメッセージを出すことを目指すことで一致した。
菅首相は事件について「断固として許すことはできない」と強調し、事件による犠牲者と遺族への哀悼と慰労の意を伝えた。
「韓国の立場十分に理解」 胡国家主席
李大統領は27日には、中国の胡錦濤国家主席と会談し、天安艦事件について、「北韓の相次ぐ挑発が韓半島および北東アジアの平和と安定に重大な脅威であるだけに、再発防止のための国際社会の適切な協力が必要だ」と強調し、協力を促した。
胡主席は「韓国の立場を十分理解し、安保理の対応過程で引き続き緊密に協議していきたい」と答えた。また、「中国は韓半島情勢を注視しており、平和と安定を破壊するいかなる行為も糾弾し反対する」と強調した。
(2010.6.30 民団新聞)