掲載日 : [2010-07-14] 照会数 : 7578
<婦人会大研修会>全国7地協を一巡 過疎地で世代交代の芽
[ 「新たな100年を見つめて」と題して講義する民団中央本部の鄭夢周事務総長(組み写真は余玉善中央会長、中国・四国地協で) ]
今年で31年目 運営にも新機軸
新定住者が牽引
婦人会中央本部(余玉善会長)の全国大研修会が13日、九州地域で閉会し、全国7地協の巡回を終えた。開催から31年目を迎えた大研修には一部で40〜50代の新定住者の参加が目立ち、今年から世代交代を重点的に推進するとしてきた婦人会中央は、ほっとした表情だった。運営面でも工夫が見られた。参加者は来賓も含め、例年と同じ約2000人近くに達した。
今年の大研修会は6月3日の中北地協(岐阜県下呂市)からスタート。1カ月余りかけて全国7地協を巡回した。東北地協の主管は北海道、中国・四国地協は高知だった。いずれもひさかたぶりの開催。これは両本部の強い意向だった。
東北地協では主管本部の北海道が動員を伸ばしたため、初めて200人に達した。秋田、岩手、山形からは韓国から嫁いできた40〜50代の中堅層の初参加が目立っていた。婦人会中央本部では「いちばんの成果」と喜んでいる。
中国・四国地協でも200人近い参加者のうち、約4分の1が初参加だった。主管した高知本部(徐恩卿会長)では、昨年を上回る12人を集めた。この中には乳児を抱いた30歳の婦人も見られた。徐会長はシオモニ(義母)が高知の婦人会長を務めていた30余年前、韓国から嫁いできた。「若い人を育てていきたい。婦人会としてよさこい祭りにも参加したい」と夢を語った。
余中央会長は、「過疎地のほうが若い人が増えている。底力があって明るく、元気のいいのが婦人会。組織離れは婦人会にあてはまらない」と胸を張った。
講師陣は10人。研修の焦点は①地方参政権獲得②強制併合100年にちなんだ「新たな100年を見つめて」③天安艦撃沈事件など。講義は昨年までの4コマを3つに減らしたことで、「親睦交流の時間が増えた」と好評だった。講義中、途中退席する参加者も見られなかった。
婦人会の熱意に応え、権哲賢駐日大使が近畿A・B、関東、東北の4会場を訪れた。これはかつてなかったこと。民団中央本部からは鄭進団長が中国・四国会場を訪れ、参加者を激励した。
各会場には韓国戦争に参戦した勇士の子弟に奨学金を募る運動を展開している在日学徒義勇軍同志会の呼びかけに応えて募金箱を置いた。個人はもとより、各県本部単位でも相当の金額を投函していた。
閉会式では各県本部の会長が日ごろの取り組みや決意を披露し、会場をわかせた。これも今年から新たに取り入れた趣向だ。各県本部の知られざる活動ぶりに、参加者は温かい激励の拍手で応えていた。
(2010.7.14 民団新聞)