掲載日 : [2010-07-28] 照会数 : 8031
サッカー女子U20W杯 韓国ベスト4入り
[ 闘志あふれる康裕美選手 ]
在日3世も奮闘…康裕美選手
FIFAU20女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会が13日から始まり、韓国がベスト4に進出した。韓国女子代表は26日未明(日本時間)、ドイツ・ドレスデンで行われた決勝トーナメント1回戦でメキシコと対戦、イ・ヒョンヨン(驪州大、19)、エースの池笑然(漢陽女子大、19)のゴールなどで3‐1で完勝した。在日3世、康裕美選手も2試合に出場した。韓国は83年のU20男子W杯、02年のW杯韓日大会に続き国際サッカー連盟(FIFA)主管大会で3度目のベスト4進出。30日には北韓を下したドイツと、初の決勝進出をかけて対戦する。
負傷乗り越え復活
韓国代表に選ばれた在日同胞4世の康裕美さん(漢陽女子大、19=FW)がつけた背番号は、南アフリカW杯で大活躍を見せた李青龍選手と同じ「17」番。
東京生まれ。在日大韓蹴球協会(金英明会長)が15年前に開設した在日同胞児童のための「ムグンファ・ジュニアサッカー教室」出身だ。東京韓国学校出身のアボジ、康信保さんに付き添いながらボールと遊ぶ中でサッカーの基礎を覚えていった。メキメキと上達し、中学では東京都選抜などにも選ばれたが、「いつか太極旗を胸につけたユニフォームを」との思いを持ち続けていた。
14歳の時、在日本大韓蹴球協会の推薦で韓国女子U17代表の合宿に特別参加。年上のチームメイトのなかでも物おじせず闘志あふれるプレーに監督がほれ込んだ。「ぜひ、こっち(韓国)に留学を」との勧めを受け、韓国女子サッカーの名門校ウィレ情報産業高校(ソウル)にスポーツ特待生として入学。U17代表候補などを経て、現在の女子代表が多く所属する漢陽女子大へと進んだ。
その後、U19代表にも招集されたが、サッカー選手として致命傷ともいえる、ひざ軟骨損傷に襲われた。昨年6月、U20W杯アジア地区第2次予選の代表に招集されていた彼女は、悩みに悩んだ末、代表を辞退し、手術を決意。約半年にわたるリハビリを経て、今大会の代表に復活した。
康裕美さんは04年のオリニジャンボリーにも参加した。オフで帰日した際には必ず「ふるさと」でもあるムグンファ・ジュニアの練習場に足を運び、後輩たちの指導に励んでいる。
W杯が終われば、すぐにロンドン五輪のアジア予選が始まる。在日同胞のサッカー韓国代表選手が初めて生まれるかもしれない。
(2010.7.28 民団新聞)