掲載日 : [2010-08-15] 照会数 : 8343
韓国人原爆犠牲者慰霊祭 広がる反核の祈り
[ 民団関係者を前にスピーチする国連の潘基文事務総長(6日) ] [ 追悼辞を読む民団広島本部の権五源団長 ] [ 式典に先立って「鎮魂の舞」を捧げる広島韓国伝統芸術院のメンバーたち ]
一般市民が半数占める
【広島】広島で被爆・死亡した2万数千人と推定されている韓国人を慰霊する式典が、原爆の日を前にした5日、平和記念公園内の韓国人原爆犠牲者慰霊碑前で営まれた。99年に平和記念公園内への慰霊碑移設が実現してから毎年、訪れる市民が増えている。6日には国連の潘基文事務総長が同胞向けにスピーチした。
式典には駐広島総領事館から許徳行総領事、民団中央本部から鄭進団長が出席し、それぞれ核兵器のない平和な世界の重要性を訴えた。婦人会中央本部のほか、鳥取、岡山、山口などからも民団関係者が多数駆けつけた。
慰霊祭は民団広島県本部(権五源団長)が70年に堺町1丁目(本川橋西詰)で碑の除幕を行って以来、今年で41回目。この日、韓国人犠牲者の冥福を祈って慰霊碑を訪れた250人のうち、約半数が一般市民で占められていた。
追悼辞を述べた権団長は、NPT(核拡散防止条約)を脱退して核実験を繰り返す北韓を「平和への破壊活動を許せない」と非難し、在日韓国人を含むすべての人たちのために平和で暮らしやすい地域づくりに努力すると誓った。青年会広島県本部の金望会長は、「今年は併合から100年。歴史から教訓をもらい、悲しい歴史は決して繰り返さない」とする朴善貴中央会長の「平和メッセージ」を代読した。
慰霊碑には、この1年間に新たに死亡が確認された9人分の死没者名簿が納められた。死没者はこれで合わせて2656人となった。式典に先だって広島韓国伝統芸術院のメンバー3人が「鎮魂の舞」を捧げた。また、婦人会広島県本部(宋姫子会長)のメンバー15人は先輩から後輩へと歌い継がれてきた「慰霊歌」を澄んだ声で公園内に響かせた。
市からは三宅吉彦副市長が参列し、献花した。
(2010.8.15 民団新聞)