掲載日 : [2010-08-15] 照会数 : 8528
広島訪問の潘国連事務総長 「原爆の日」韓国人慰霊碑に献花
【広島】国連の潘基文事務総長は「原爆の日」の6日、広島市中区の平和記念公園内で営まれた原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)に参列した後、同公園内にある韓国人原爆犠牲者慰霊碑を訪れ、献花した。出迎えた鄭進民団中央本部団長が「おいでいただき、感謝します」と話しかけると、潘事務総長はほほえみながら握手を交わした。
献花は当初、全体で10分程度の予定だった。スピーチも英語で5分だけと決められていた。ところが、潘事務総長の判断でまず、韓国語でスピーチし、同じ内容を英語で繰り返した。最後に日本語による通訳も加わり、日程調整にあたった市関係者をやきもきさせていた。潘事務総長は、同胞犠牲者の冥福を祈るとともに、核のない世界の実現に尽力することを、あらためて誓った。
出迎えの民団広島本部関係者とも一人ひとり握手して回った。権養伯さん(韓国人原爆犠牲者慰霊碑移設委員長)が潘事務総長に慰霊碑の由来について説明した。
潘事務総長は広島に先立って5日、長崎入りした。爆心地公園では民団長崎本部から金亨道団長をはじめとする関係者20人が出迎えた。長崎原爆資料館ではチマチョゴリ姿の在日韓国人被爆者、権舜琴さん(84)と面会した。権さんは、多くの同胞が犠牲になったことを伝え、核兵器廃絶の願いを託した。
広島で2万人、長崎で2000人前後の同胞が死亡したとされている。
(2010.8.15 民団新聞)