掲載日 : [2010-08-25] 照会数 : 5569
<布帳馬車>「世界を照らす韓国」らしく
今年の光復節は強制併合から100年の節目とあって、各地の同胞たちは歴史の重みを改めて感じ、それぞれに自身の気持ちを整えながら式典に参席したことと思う。
伝統ある海外同胞社会の形成は、時系列から見て中国、ロシア、米国、そして日本の順になる。中国東北部やロシア沿海州には、植民地化によって流入者が増えたものの、朝鮮朝時代から同胞のコミュニティーが根を張っていた。在米同胞社会の場合は、旧大韓帝国時代の1904年に始まったハワイへの国策移民が原点である。在日同胞社会だけが植民地化によって派生したと言える。しかも唯一、支配国に築かれた。
人間にとって何がつらいといって、蔑みを受けること以上のものはない。在日同胞はそれに耐え、克服して今日を迎えた。自己史と民族史を一体として捉える感覚は、在日同胞が最も強いはずだ。それだけに、今回の光復節には格別の思いがあった。
だが、光復節の今後のあり方については、考え方に変化が見え始めている。「私たちの人間性回復の原点だ。永遠に今のままで」と言えば、「いつまで光を復したことにこだわるのか。躍進韓国にふさわしい記念日にすべきだ」との声もある。「韓国政府樹立の影が薄い。今後の8・15は主に、建国記念日として祝いたい」と主張する同胞も少なくない。
「併合条約」の強制調印が1910年8月22日、その発表が29日だった。日本による統治期間は35年。5年後の光復70周年には、その期間の2倍を経過したことになる。光を復しただけでなく、世界を照らすまでになった韓国らしい、命名があってもいいのではないか。(J)
(2010.8.25 民団新聞)