掲載日 : [2010-09-08] 照会数 : 6504
FTA締結 加速する韓国
[ 李明博大統領(右端)とインドのシン首相(左端)は14年までに交易額を300億㌦まで拡大することで合意した ]
貿易額1兆ドル時代へ
ペルーと妥結 EUとは今月署名
韓国は8月末にペルーと自由貿易協定(FTA)を締結した。南米ではチリに次いで2番目。今月半ばには欧州連合(EU)と正式署名する運びになっているほか、米国やオーストラリア、トルコ、中東諸国などとも推進中で、年間貿易額1兆㌦をめざす。
外交通商部の金宗壎通商交渉本部長とペルーのペレス通商・観光相は8月30日、リマで両国のFTAを締結し、共同宣言文を発表した。11月をめどに協定文の仮署名を行う予定。
FTA発効後10年以内に、段階的に関税が撤廃される。カラーテレビや排気量3000㏄以上の大型車の関税は、発効後ただちに撤廃される。関税率が9〜17%の自動車やテレビ、洗濯機、冷蔵庫、パソコンなどが恩恵を受けそうだ。
南米ではチリとのFTAが04年に発効したほか、コロンビアとも交渉中で、今後さらに貿易量の増加が見込まれる。
欧州連合(EU)とのFTAは今月中旬、正式に署名される。外交通商部によると、10日開催予定のEU外相理事会で、韓国・EU間のFTA問題について話し合い、正式署名を委任する決定を下すものと予想され、その後、適切な時期に正式署名が行われる。
双方議会の批准同意を経て、年内に暫定発効する予定。EUには27カ国が加盟し、正式発効には欧州議会の批准同意とともに27カ国の議会批准が必要。
ただし、全議会の批准を得るには時間がかかることから、韓国とEUは、韓国議会と欧州議会が批准すればFTAを暫定発効することで合意している。政府当局者は「暫定発効といっても正式発効と違いはなく、協定内容の99%以上が直ちに適用される」と説明している。
今年1月1日、インドとの包括的経済連携協定(CEPA)の発効により、FTA締結国との貿易の割合は14%になった。李明博大統領は戦略的な海外進出の必要性を強調しながら、韓国の貿易に占めるFTA締結国との貿易割合を50%にまで引き上げる目標を掲げ、韓国は遠からず輸出5000億㌦、貿易額1兆㌦の時代が到来することを明らかにしている。
EUとのFTAが発効すれば25・4%に、さらに米国と締結する場合は35・5%にそれぞれ上昇する。ただし、11月に行われる米中間選挙の結果次第でずれこむ可能性もある。
一方、かなりの分野で合意を見ているオーストラリアをはじめ、EUと同盟関係にあり4月から交渉を開始したトルコ、あるいは中東・アラビア地域の湾岸協力会議(GCC)などと締結すれば、50%を超える見通しだ。年内に締結した場合、協定履行に向けた国会批准手続きなどを考慮すると、目標達成時期は来年上半期ごろになりそうだ。中国との公式交渉も来年に始まる予定。
(2010.9.8 民団新聞)