掲載日 : [2003-05-21] 照会数 : 3419
言葉も食事も〞ウリ〟の安堵感 65歳以上対象に開設(03.5.21)
[ 婦人会オモニの手料理に舌鼓をうつ1世のお年寄りたち ]
民団大阪・西成支部ふれあいデイハウス
「生きてたんか」再会喜ぶ声相次ぐ
【大阪】高齢化が進む在日同胞社会の中で、大阪を中心に、会館を利用して同胞1世たちを対象にしたデイサービスを展開する支部が増えつつあるが、民団西成支部(崔長煕支団長)でもこのほどサービスを開始した。同支部のデイサービスは、大阪市委託事業としてのデイサービスばかりでなく介護を必要とする通所介護事業所も民団として初めて認定を受ける準備を進めている。
団員513世帯を擁する民団西成支部の「ふれあいデイハウス」は、65歳以上の同胞を対象に、毎週火・金曜の午前11時〜午後4時まで開かれている。
崔支団長はじめ支部幹部らは、すでに先行している枚岡、布施、八尾の各支部を見学してデイサービスの必要性を感じたという。紆余曲折はあったものの、「なによりも同胞と触れ合え、言葉を交わせる環境を提供することで、お年寄りたちの閉じこもりを防止できる」と、崔団長が先頭にたって婦人会同支部(柳渭鉉会長)と協力して準備を進めてきた。
支部会館の1階を韓国式オンドル室を設置した憩いの場と事務所にリフォームした。これまで1階で開いてきたテコンドーや韓国語教室は2階で開催することにした。
16日には、「あらー、あんた生きてたんか?」とデイハウスに足を運んできたハルモニたち24人は、久しぶりの再会した昔なじみと肩をたたきあって喜んだ。温かいオンドルに座るなり韓国語の衛星放送放送から流れてくる韓国ノレを口づさみ、カラオケや韓国ビデオを観賞しながらにぎやかに過ごしていた。
また、支部の婦人会員らが毎回メニューを変え、栄養面も考えて作ったナムルやチヂミ、ワカメスープなどおいしい韓国料理に舌鼓を打った。
最年長の文英順ハルモニ(92)は「みんなに会えるし、この日が待ち遠しい」と、90代には見えないほど顔の色艶もよく、元気に話していた。
閉じこもり老人を防止する自立者を対象とした大阪市委託事業としてのデイサービスの認定は、6カ月以上の実績が必要なため、10月頃に市へ提出する。また、介護を必要とする通所介護事業所としての活動も視野に入れており、消防法にのっとった施設や保健法にそった台所を設け、介護士などの資格者も確保するなど、6月には予備審査を出す方向で進めている。
崔団長は「こういった支部の活動が団員の生活の一部分として近づき、活性化につながれば」と、地域に密着した支部作りにこれからも頑張りたいとしている。
(2003.5.21 民団新聞)