掲載日 : [2010-09-08] 照会数 : 9017
関東大震災87周年追念式 悲劇繰り返させぬ
[ 追念辞を読む金龍濤東京本部団長 ]
「韓日新100年」共生誓う
関東大震災(1923年)から87年の9月1日、東京、神奈川、千葉、埼玉など、関東地区の民団は、同大震災の混乱時に日本軍隊・警察や各地につくられた自警団などによって虐殺された数千人にのぼる同胞の冥福を祈る追悼式を各地で開いた。
参列者は、今年が「韓国併合から100年になることを踏まえ、韓日共生の「新100年」へ、虐殺の真相の究明を求めるとともに、二度とそのような悲劇を繰りかえさせないとの決意を新たに、地域での共生社会構築へ尽力することを誓った。
東京・南麻布の韓国中央会館で営まれた第87周年関東大震災殉難同胞追念式には、民団中央本部の鄭進団長、黄迎満議長ら幹部、婦人会中央本部の余玉善会長、民団東京本部の金龍濤団長ら幹部、各支部支団長、婦人会、青年会の幹部をはじめ約160人が参列した。
東京本部の金保雄副団長は経過報告で「韓国人は虐殺にあっても国がないため抗議はもちろん、真相の調査要求もできなかった」と指摘、震災後87年、戦後65年の今日もなお、日本国家が犠牲者に対する補償責任を果たさぬばかりか、事実の隠蔽を図り、虐殺の全貌が明らかにされていないことを批判した。同時に「われわれの生活権拡充運動や地方参政権獲得運動は、そのような悲劇が繰り返されないようにし、真の善隣友好への懸け橋となる」と強調した。
鄭進中央団長による代表献花の後、金東京本部団長は追念辞で「日本社会は大虐殺に対する事実を消し去ろうとしている。われわれも87年という歳月により歴史的認識が希薄化している」と述べ、「われわれには、二度とあのような蛮行が起きないようにすべき使命がある」と力説した。
金団長は、さらに「この地に子々孫々が安心かつ平和に暮らしていけるよう、在日同胞の権益擁護とあわせて居住地域における共生共栄社会の構築へ、同胞が団結して尽力する」ことを確認した。
参列者は、金賢中大使館総領事、中央本部役員・顧問らを先頭に献花し、犠牲者の冥福を祈った。大震災が起きた午前11時58分を期して全員が起立して黙祷を捧げた。
(2010.9.8 民団新聞)