掲載日 : [2010-09-15] 照会数 : 6428
<民団中央>在日学徒義勇軍勇士らを表彰 救国精神を忘れまい
[ 在日学徒義勇軍同志会会員および遺家族らに表彰状を手渡す鄭進中央団長 ]
平和・統一へ決意込め
北韓の奇襲南侵による6・25韓国戦争の戦況を一変させ祖国防衛に決定的役割を果たした国連軍・韓国軍による仁川上陸作戦60周年記念日の15日、民団中央本部は、存亡の危機に瀕した祖国死守と救国の一念で参戦した在日青年学徒義勇軍の愛国・犠牲精神をたたえ、在日学徒義勇軍同志会会員・遺家族25人に中央団長表彰状および有功章を授与した。韓国中央会館(東京都港区南麻布)で行われた授与式には、民団や各傘下団体幹部ら約120人が参席、南北の民主的統一推進へ安保体制の強化および平和構築への決意を新たにした。
6・25 60周年 仁川上陸作戦記念日に
鄭進団長はあいさつで、「民団は皆さんの崇高な犠牲精神を土台に構築された。在日同胞を代表して皆さんの苦痛を慰労すると同時に心から感謝します」と表明、「在日学徒義勇軍の愛国・犠牲精神を継承して豊かな在日同胞社会づくりに全力を尽くします」と強調した。
鄭団長は、愛国精神と功績を称える表彰状と有功章を、一人ずつ手渡した。また、同志会会員および遺家族への支援金として200万円を李奉男同志会会長に伝達した。
李同志会会長は答辞で謝意を述べるとともに、学徒義勇軍の第一陣が参戦した仁川上陸作戦の意義を強調、「その勝利があったからこそ、今日の大韓民国が存在する。わが国が世界に名だたる経済大国に発展した陰には、このような純粋な民族愛・祖国愛で祖国を守り抜いた多くの愛国的な在日同胞がいたことを忘れないでほしい」と要望。「歴史を風化させたり、歴史の教訓から学ばない民族は滅びていく。同族が互いに殺しあう、いかなるテロも戦争も断じて許さない強い決意を固めよう」と呼びかけた。
同時に「日本に住んでいても、国家安保と社会安定こそが民族生存の土台であり、愛国・愛族の強い精神で国と民族を守っていく使命がある」と訴えた。
授与式には民団中央本部の黄迎満議長、金昌植監察委員長、金龍濤東京本部団長、余玉善婦人会中央会長、朴安淳体育会中央会長、朴善貴青年会中央会長らが参席した。
受章者らは式後、韓国中央会館前に建立されている「在日青年学徒義勇軍韓国動乱参戦記念碑」を参拝し、今は亡き同志や家族の冥福を祈った。
なお、今月29日には在日学徒義勇軍参戦第60周年記念式が、仁川寿鳳公園の在日学徒義勇軍参戦記念碑前で行われる。
■在日青年学徒義勇軍
北韓軍の奇襲南侵(1950年6月25日)によってソウルがわずか数日で占領され、韓国軍が後退を続け釜山周辺に追い詰められ、祖国が風前の灯になった時、在日同胞青年学生たちが決起し、義勇軍として642人が参戦した。第一陣は50年9月15日の仁川上陸作戦に参加。以後同年11月14日までに5陣が参戦、135人が戦死した。家族や生活基盤のある日本に帰還できたのは265人。242人は日本への帰還を閉ざされ国内残留をよぎなくされた。
(2010.9.15 民団新聞)