掲載日 : [2010-09-29] 照会数 : 9234
次世代育成へ空白区なくす 青年会がソウル研修会
[ 南山国楽堂で韓服を着て礼儀作法を学ぶ参加者(24日) ]
再建へ絆深める 本部不在地方中心に100人参加
在日韓国青年会中央本部(朴善貴会長)が、23日から26日までソウルで開催した研修会「2010 Korean Youth Travel」には青年会の地方本部が存在しない地域を中心に、約100人の同胞青年が参加し、在日同胞および母国・韓国への理解を増進し、互いの絆を深めた。研修会は、民団の次世代育成運動の一環として青年会の活動強化を目的に実施された。
参加者は、今回の研修で母国の歴史や文化を肌で感じながら学んだ。夜遅くまで熱心に語りあったり、最終日には別れを惜しんで抱擁しあったりするなど、密度の濃い3泊4日を過ごした。
初日は、ソウル・オリンピックパークテルに集まり、ウェルカムパーティーで交流した。神妙な面持ちで国民儀礼や愛国歌などにもチャレンジし、自らのルーツや在日韓国人青年としての自覚を新たにした。
2日目は、「素顔の韓国に触れる」をテーマにした企画を通じ、韓国の歴史、言葉、文化について学習した。企画は「DMZ(非武装地帯)フィールドワーク」「トトロハウス韓国留学体験」「南山国楽堂韓国文化体験」の3つ。
DMZフィールドワークでは都羅山展望台から北韓を臨み、南侵用地下トンネル、京義線の韓国側最北端の都羅山駅を見学し、南北分断の現実と悲哀を体感した。都羅山駅では、07年に青年会が開催した「07在日同胞青年ジャンボリー」の際に植樹した朱木(イチイ)の木を前に記念撮影も行った。
トトロハウス韓国留学体験では、韓国人講師から韓国語を学び、母国語の習得に努めた。南山国楽堂での韓国文化体験では、全員が韓服を着て伝統菓子を作ったり、あいさつや茶の作法などを学習。伝統民俗音楽パンソリも体験した。
また2日目には在外同胞財団の金慶根理事の講演会と同財団主催の晩餐会が開かれ、理事らが青年たちを激励した。
3日目は、景福宮、戦争記念館などでフィールドワークを行い、韓国の歴史を学んだ。同日夜の講演会では民団中央本部の林三鎬副団長(青年会0B全国連絡会会長)が「青年会の再建を担い、在日社会を担う人材となってほしい。また在日韓国人としての自覚を持って生きてほしい」と呼びかけた。
青年会主催のイベントに初めて参加したという栃木県の権幹太さん(29)は、「これまでは『絶対帰化するのがいい』という考えを持っていたが、仲間たちに出会って、『在日として生きる』というのもいいと思った。栃木に青年会が再建されたらぜひ参加したい」と語った。
青年会中央本部は「在日韓国人青年が集い、絆を深める意義を再確認する行事となった」と今回の研修会について強調している。
(2010.9.29 民団新聞)