掲載日 : [2010-10-06] 照会数 : 9697
ボウリングが静かなブーム 民団都区内各支部活性化へ一役
[ 子どもからお年寄りまでが楽しむ支部対抗大会(05年) ]
年齢を問わず全国化の勢い
民団東京の各支部で今、ボウリングが静かなブームを呼んでいる。子どもからお年寄りまでが楽しめるスポーツとして、支部活性化の一役を担っている。
ライバル意識が相乗効果に
きっかけとなったのは、支部対抗ボウリング大会。その以前からも体育会関東本部が主体となった大会は開催されていたが、若手の青年会が中心となっていた。しかし、04年から東京本部団長杯争奪・支部対抗大会としてスタートしてからは21全支部が出場し、優勝を競い合うようになった。いまでは支部間に良い意味でのライバル意識が生まれている。
東京本部管下には21支部があるが、現在、足立、荒川、江東支部など、定期的に試合や月例会を開いているのが10支部にのぼる。その中でも最も活発なのが足立支部(宋洙一支団長)だ。同支部は第2回大会に初優勝したが、翌年は惨敗し連覇を逃す。残念会の席で出場した役員らが「悔しいね。優勝めざし、みんなで本格的に腕を磨こう」と支部にボウリング部を立ちあげた。
当初の部員はわずか4人ほどだったが、口コミで加入者が増え続け、現在では約50人が登録している。女性も含め、その顔ぶれは子どもからお年寄りまで幅が広い。
「やるからには本気で」と、部員たちもマイボール、マイシューズを揃え出した。現在登録会員のほとんどがマイボーラーだ。月2回のペースで定例会(試合)を開催しているほか、定期練習会を含めると週2〜3回ほどボウリング場に通う団員もいる。
青年会出身で足立支部ボウリング部の立ち上げからコーチを務めてきた張智成さん(47、東京本部監察委員)は、「組織離れがいわれて久しいが、民団には色々なサークルがあってもいいと思う。世代を超えた団員がボウリングで連帯を深めれば、こんなにうれしいことはない」と話す。
同支部からはここ3年、韓国国体に4人の代表選手を輩出している。
足立支部のこうした活動が他支部にも伝わり、隣の荒川支部でも月1回の定例会がスタートした。そして、墨田支部や目黒支部などからも視察をかねて月例会に加わり、それぞれの支部で定例会を開催するようになった。
日本の第1次ボウリングブームは40年ほど前。当時、全盛期の若者世代が今や50〜60代となった。昔取った杵柄を今の子どもたちに伝授しようと、孫や子どもと一緒に参加する団員も多い。
先駆けは愛知…実績にも定評
ボウリングを通じた支部活性化の先駆的役割を果たしたのが愛知だ。
75年から始まったオモニバレーボールや83年からの支部対抗ソフトボール大会など、スポーツを通じた連帯事業が定評のある愛知だが、今から11年前、体育会中北本部が民団とタイアップしボウリング大会を定着させた。
当時の金南守会長は4月から6月にかけて14支部で予選大会を開催し、7月に支部対抗決勝大会を開催した。もちろん団員の親睦を深めるイベントではあったが、決勝大会で優秀なスコアを記録した選手には韓国国体への出場資格を与えた。
①世代をこえた老若男女が集う②支部の活性化につながる③出場選手に希望を持たせるという「一石三鳥」の効果が現れ、今でも継続開催されている。
福岡にも波及…一石三鳥効果
民団支部でのボウリングサークルは東京や愛知のほか、福岡でも徐々に広がりつつある。八幡支部をはじめ小倉や福岡など8支部が定例会などを開催している。
今日6日に開幕される慶南国体に在日同胞代表として男女12人が派遣されたが、その大半がこれら民団各地での定例会や全国大会を勝ち抜いてきた選手たちだ。
(2010.10.6 民団新聞)