掲載日 : [2003-05-29] 照会数 : 3276
民団中央「脱北者支援センター」設立へ(03.5.28)
[ 26日に韓国中央会館で開かれた03年度前半期全国地方団長・中央傘下団体長会議 ]
住宅・就職斡旋など…生活全般の便宜図る
民団中央本部は26日に開いた「全国地方団長・中央傘下団体長会議」で、北韓を脱出して現在日本に滞在中の同胞を支援するため、「脱北者支援民団センター」を設置することを明らかにした。民団ではこの間、脱北同胞への支援を水面下で行ってきたが、直接支援をすると公表するのは初めてのことで、今後の動向に関心が高まっている。
中央本部に設置する「脱北者支援民団センター」は、北韓から命からがら脱出し、日本に入国した北韓同胞に対して生活支援をする役割を担う。現在、約50人がいるものと見られている。
住宅や就職の斡旋をはじめ、一日も早い日本社会への適応を促すため、日本語の習得にも尽力する。また、日常生活に必要な買い物の方法や病院などの利用の仕方など、生活全般の便宜を図る。
一方、日本政府に対しては、過去、インドシナ難民を対象に日本定住措置を取ったように、定住のための施設の確保とその実現のための特別法の立法化を要請していく。
民団ではこれまで北送同胞の人権問題に取り組む日本の市民団体に側面支援を続けてきたほか、今年1月、中国の公安当局に拘束された脱北同胞の中に、1959年から始まった北送事業で北韓に「帰国」した元在日同胞が含まれていたことから、日本定住の実現を川口順子外相へ要望していた。
今回の決定は、食糧難などによって北韓を脱出せざるをえなかった同胞の悲惨な状況を、同胞の立場から支援しようという人道主義に根ざしたもの。
金宰淑団長は「脱北同胞がいかに安定した生活を送ることができるか、総合的な計画を進めているところだ」と述べた。同センターの概容については、6月初旬の記者会見で発表される予定。
(2003.5.28 民団新聞)