掲載日 : [2003-06-11] 照会数 : 8444
「地方参政権」へ努力 盧大統領が在日同胞に言明(03.6.11)
[ 700人がかけつけた盧大統領を迎えて行われた在日同胞懇談会 ]
「双方の力で解決を」
民族金融機関支援も積極的
訪日中の盧武鉉大統領は8日、過密スケジュールにもかかわらず都内のホテルで、在日同胞との懇談会に臨んだ。盧大統領は、地方参政権について継続努力することや、民族金融機関への支援に関しても前向きに述べるなど、駆け付けた民団幹部はじめ在日同胞700余人に勇気を与えた。
会場入場時に東京韓国学校の児童、金智優ちゃん、李韓碩君から贈られた花束を、詰めかけた同胞に向けて投げ入れるパフォーマンスに会場は湧いた。
民団中央本部の金宰淑団長は、「日本社会にこれまで以上に貢献し、日本人と共生を志向する地方参政権の早期成立と、日本の長期不況と金融機関の破綻で苦しむ在日の民族金融機関に対して格別な支援を願う」と要請した。
また、「北韓の核問題を解決するため、対話を通じた指導力を発揮し、韓半島で平和定着に全力を傾注することを望む」と要請した。
これに対して盧武鉉大統領は、「日本との緊密な関係は、北東アジアの平和にとって重要だ。北韓の『核保有、核の再処理発言』があったが、今回の訪日は北の核問題を解決するのが主目的で、韓国、米国、日本による協議を原則にして最善の努力を払う。日本の安全のみならず、韓半島の安全のために、核問題の解決を確信している」と力強く話した。
地方参政権問題については、「訪米、訪日を通じて韓国の国力増大と国際社会での地位の高さを感じた。問題解決のための条件づくりに継続して努力していく」と述べ、民族金融機関の問題には、「信用組合の信頼度に関わる問題なので、双方の努力で解決に向けて努力していきたい」と答えた。
盧武鉉大統領はさらに、「在日同胞が疎外されないために、韓国が今以上に国力をつけ、国際社会の中での地位を高めるために努力する」と続け、「韓日の過去の歴史も大事だが、今の両国を取り巻く環境の中で、全体の秩序を守り、韓国の役割を果たすことがより大事だ。北東アジアで過去の悲惨な歴史が繰り返されないようにしなければならず、相互不信や国粋主義から脱し、両国が互いに顔を向き合わせることが大事だ」と強調、和解と協力の秩序、新しい希望をつくらなければならない」と締めくくった。
会場には元プロ野球選手で3000本安打の張勲氏や芥川賞作家の柳美里さんら700余人がつめかける中、在日韓国婦人会中央本部の金定子会長が、大統領の舵取りに期待を込めて乾杯の音頭をとった。その後、会場に駆け付けていた薩摩焼第14代の沈寿官氏作の陶磁器が金団長の手から大統領に贈られ、歓迎ムード一色に包まれた。
また、同懇談会に先だって、民団幹部はじめ在日同胞有力者45人との懇談会も持った。金団長や金敬得弁護士が在日同胞の法的地位や地方参政権問題に対する本国政府の支援を要請した。
これに対して大統領は、「在日同胞が日本社会で堂々と生きていけるように努力する」と約束した。
(2003.6.11 民団新聞)