掲載日 : [2003-06-11] 照会数 : 2926
北の核「平和的に解決」 韓日首脳会談で確認(03.6.11)
共同声明発表
「対話と圧力」共に必要…事態悪化なら対抗措置
盧武鉉大統領と小泉日本首相は、7日の東京・元赤坂の迎賓館での会談(約2時間)で、北韓の核開発計画を容認せず、「検証可能で不可逆的な方法」による廃棄を求めていく方針で一致した。両首脳は、対話による平和的解決を目指す一方、北韓が事態を悪化させた場合は韓日が連携を強化して厳しく対処する原則を確認。会談後の共同記者会見では、「両国が過去の歴史を踏まえつつ、未来志向の関係を発展させていく」決意を盛り込んだ共同声明を発表した。盧大統領は9日午後、3泊4日の日本国賓訪問を終えて帰国した。
両国関係・未来志向で発展
首脳会談では小泉首相が北韓との対話を重視する盧大統領の「平和繁栄政策」への支持を表明。盧大統領も昨年9月の「日朝平壌宣言」にもとづき核・ミサイル問題と日本人拉致問題などの包括的解決をめざす日本の方針を支持した。両首脳は「米朝中3者協議」への韓日両国の参加にも強い期待を示した。
小泉首相は、共同記者会見で、「外交的・平和的解決のためには対話と圧力が共に必要だと(会談で)指摘した。北朝鮮が事態をエスカレートさせた場合は、一層厳しく対応しなければならない」と表明、北韓の不法行為や不正送金、大量破壊兵器の輸出規制を強化する考えを示し、「対話と圧力」路線を進めることを強調した。
盧大統領は「対話と圧力は並行していくべきだが、韓国政府の立場は対話により重きを置いていきたいと(首脳会談で)申し上げた」と述べた。会談でも「北韓への支援は核問題の進捗状況を見ながら検討する」と表明した。
小泉首相も会見で「追加的措置も圧力も、平和的解決、対話に導くための働きかけだ」とし、韓日双方の基本方針は一致していることを強調した。
共同声明では、北韓核問題について、北韓がこれ以上、事態を悪化させないよう自制を要求。事態悪化の場合には、「韓米、日米両首脳会談で合意された原則を再確認し、連携を強化していく」ことを明記した。
小泉首相は会見で、今回の大統領訪日が有事法制関連3法成立と重なったことなどを念頭に「韓国国内に懸念や批判があることを承知している。大統領の勇気ある決断に敬意を表する」と語った。さらに「専守防衛という日本の方針には何ら変わりはない」と強調。
盧大統領は「日本の防衛政策の変化について、周辺国が警戒感を持っていることも否定できない現実だ」と懸念を表明しつつも、「韓日両国が信頼をもって解決することができる」と理解を示した。
■□
「98年共同宣言」継承・発展へ
今後の韓日関係構築について両首脳は「21世紀に向けた新たな韓日パートナーシップを構築する」などとした98年の韓日共同宣言を継承・発展させることで一致した。 盧大統領は会見で歴史認識の重要性を指摘したうえで、「今回は過去の歴史に触れずにおこう、と決めてきた。歴史問題は大統領の宣言などで終結するものではない」と述べ、今後の日本側の対応を注視する姿勢を示した。
両首脳は、交流を拡大するため、韓国の修学旅行生の日本での短期滞在査証を免除することで合意。さらに、韓日の自由貿易協定(FTA)締結交渉を早期に開始するよう努力する金浦空港と羽田空港を結ぶ航空シャトル便の早期運航を推進させる韓国は日本大衆文化開放を拡大することを確認した。
(2003.6.11 民団新聞)