第66回光復節慶祝中央記念式典が15日、民団東京本部の主管により日比谷公会堂で団員ら2000人が参加して開かれた。参加者は、来年から参与する韓国の国政選挙に在外国民の一員として積極的に対応すると同時に、地域住民の権利である日本の地方参政権獲得をねばり強く推進することを誓った。また、「豊かで明るい在日同胞社会の構築に向け次世代の育成に全力を尽くす」「2018年平昌冬季五輪成功へ全面協力する」「北韓の核開発などの即刻中止を求め韓半島の平和定着に寄与する」などの決議文と、日本の中学校教科書採択に当たって偏った歴史認識に基づいた「歴史教科書」が採択されないよう要望活動を継続推進するなどの決議文を、それぞれ満場一致で採択した。全国各地の民団で開かれた光復節慶祝記念式典でも同様の決議が行われた。
次世代育成へ全力
求心体の自覚さらに強く
中央式典は金龍濤東京本部団長の開式辞で始まり、申?秀駐日大使が、国民と北韓同胞および700万海外同胞に向けた李明博大統領の「第66周年光復節慶祝辞」(別掲記事参照)を代読した。
民団中央の鄭進団長は慶祝辞で、国政選挙参与について「一人でも多くが選挙人登録を行い、一人でも多くが投票するようにしよう。同時に選挙権を行使するにふさわしい在外国民としての自覚を育もう」と呼びかけた。
鄭団長は「私たちは毎年の今日、不屈の民族精神と成功の歴史を刻んだ韓国の国民としての記憶を覚醒させてきた。第2次大戦後の世界で、侮りを受けた最貧国から称賛と尊敬を得るまでになった国を、私は韓国のほかに知らない」と述べ、「韓国は、韓半島の地殻変動期を好機に転換させ、必ずや先進統一国家の建設を主導するだろう」と強調した。
さらに「私たちも、本国における政治的な葛藤や南北関係の激変にも揺るがない態勢を固め、より豊かな民族社会を実現する韓国の歴史的使命の一翼を担い、在日同胞すべてを糾合する力強い求心体となる決意を新たにしよう」と呼びかけた。
続いて日本側主要来賓があいさつ。民主党の滝実・総務委員長は「東日本大震災時、民団の支援活動には心から感謝している。また、韓国からはどの国よりも早く支援をしていただいた。日本国民は困ったときに助けてくれた真の隣人だと信じている。日韓両国の懸け橋となり、関係発展の主役である民団の活躍を心から願う」と表明した。
公明党の太田昭宏・全国代表者会議議長は「東日本大震災では、民団のみなさんがいち早く炊き出しや医療支援、それに義援金伝達などを行い、本当にありがたかった。日韓両国は近くて近い関係になっている。日本は共生、分権、人権を前進させていかなければならない。みなさんの地方参政権の実現を改めて決意したい」と強調した。
共産党の緒方靖夫・副委員長も「東日本大震災での民団の国境を越えた支援活動に心から感謝したい。日韓の両国民、在日と日本人が協力し合い、明るい未来を作っていきたい。地方参政権付与という重要な懸案が1日も早く解決するよう、党としても全力を注いでいく」と明らかにした。
社会民主党の重野安正・党幹事長は「8・15は日本にとっては終戦、皆さんにとっては植民地支配からの解放の日であるが、私たち日本にとっても『軍国支配』からの解放でもある。東日本大震災の支援活動には心から感謝している。1日も早い地方参政権の実現へ尽力したい」と表明。
日韓議員連盟の白眞勲・幹事(民主党)は「日韓両国は本当に近い関係であり、今後もさらに絆を深めていく関係だ。東日本大震災での民団の救援活動には大変感謝している。民団の活動は隣人を少しでも救いたいという心があったからだ。共に生きていく住民としての権利、地方参政権を必ず実現させるべきだ」と各党に促した。
(2011.8.31 民団新聞)