雇用創出 高卒を大幅採用
韓国政府の「共生発展」政策に積極的に呼応するため、大手30グループは今年、史上最大規模の12万4000人にのぼる新規労働力を採用する方針だ。特に、高卒者は前年比13%増の3万5000人を新規募集する。全国経済人連合会(全経連)は8月31日、ソウルで李明博大統領が出席する中、「共生発展のための大企業懇談会」を開き、このような計画を明らかにした。
懇談会席上、李大統領は「共生発展の雰囲気を醸成してこそ、市場経済を守り、韓国社会を持続的に発展させることができる。当面の課題克服に向け企業が先頭に立ってほしい」と呼び掛けた。
共生発展は、李大統領が8月15日の第66周年光復節記念式の祝辞で、市場経済の新たなモデルとして提示したもの。その中で李大統領は「既存の市場経済を新しい段階に進化すべきだ」と強調し、「貪欲経営」から「倫理経営」に、「資本の自由」から「資本の責任」に、「富益富、貧益貧」から「共生繁栄」に進化する市場経済のモデルが必要だと指摘した。
大手企業はこれに呼応した動きを見せている。全経連が調査した「30大グループの今年の採用計画と上半期の採用実績」によると、上半期に6万8000人を採用し、年間では前年比12・7%増の12万4000人を新規雇用する。
高卒者は新規採用3万5000人のうち、上半期にすでに1万8000人(52・8%)を採用した。高卒者の採用は、09年の2万3000人、昨年の3万1000人と、年々増えている。
世界的な景気低迷にもかかわらず、大企業は今年の投資を積極的に増やす方針だ。30大グループの投資は、前年比14・3%増の114兆8000億ウォンに達する見通し。
国民経済をサポートするための大企業による社会貢献事業も拡大している。主要グループが設立し、サポートしている社会的企業を通じて、2510人の障害者や母子家庭関係者など社会的弱者の職を斡旋した。
8月までの企業やマイクロファイナンス財団の融資実績は、6842件、1003億ウォンと、昨年の4133件、466億ウォンを大きく上回った。
全経連の関係者は「高卒者の就業をより一層拡大するため、特性化高校の育成と職場教育の強化などの支援策に全力を注ぎたい」と語っている。
これと関連して、鄭夢準氏が筆頭株主の現代重工業などが16日、5000億ウォンをもとに社会福祉財団を創設すると明らかにしたのに続き、現代自動車グループの鄭夢九会長は同28日、低所得世帯の子どもに教育を受けさせるため私財5000億ウォンを寄付すると発表した。個人の寄付額としては過去最高額。基金を設立して人材育成のために活用する。また、高学費のため多重債務などに陥っている低所得世帯の大学生も支援する方針だ。
(2011.9.7 民団新聞)