韓国歌謡をなにより愛し、韓国の文化が大好きという仲間たちが「韓国音楽友の会」(小平武司会長)を旗揚げしてから来年で満30周年。記念のプレイベントととして3日、東京・豊島区のスタジオストライプ「日韓音楽ふれあい館」で「歌謡祭」を開催し、参加者60人がこの30年間大切に歌い継ぎ、広めてきた多くの中から50曲を厳選して熱唱した。
持ち歌最高は700曲!?
「つばき娘」から「ムジョコン」まで全50曲を熱唱
第1部は李美子の代表曲「つばき娘」(62年)から05年のヒット曲「ムジョコン(無条件の愛)」まで、事務局独自に選定した「時代を超えて歌い継ぐ韓国歌謡」20曲。歌唱希望者はメンバーからアンケートをとって決めたという。
リクエストが集中したヒット曲は「カスマプゲ(胸が切ない)」(67年)と「サランエミロ(愛の迷路)」(84年)など。「カスマプゲ」は8人、「サランエミロ」に至っては13人が舞台に並んだ。このほか、ノリのいい「オモナ」(あら まあ)や「ムジョコン」のメロディーが流れると、メンバー全員が手拍子を打ち、一緒になって口ずさんだ。
式典をはさんでの第3部では、メンバーが大切にしている「これぞ私の1曲」を披露した。岩田育宏さんが選んだのは、「サランエコリ」(南ソウル・夢の街)。88年から韓国語を学び始めたという岩田さん。「発音は歌から」と先生に勧められてから好きになった。青木英和さんは「“韓国病”にかかって20年。韓国のすべてが私の人生」という。最後は「チャリッソヨ」を全員で歌い、踊った。
会の発足は82年4月。KBSラジオ韓国(日本語放送)を通して韓国歌謡の魅力にはまった仲間が、同好の士を頼って集まったのが始まり。小池克紀副会長は、「かつては韓国歌謡を歌うと、仲間から奇人、変人と呼ばれたもの。会に入ってようやく心地よい自分の居場所を発見した思い」と振り返った。
定例会には年齢、国籍を問わず、老若男女が最新ヒット曲から往年の名曲までを原曲で歌うことを喜びとして集まる。05年からは日本音楽を愛好する韓国国内の団体「韓・日音楽同好会」とも交流を続けている。大庭治さんは、「韓国歌謡であればなんでも歌いこなす」。持ち歌は700曲余り。同じく田中秀夫さんも、「暇さえあればカラオケを荒らしている」という。
会員は現在42人。最盛期には福岡や新潟からも月例会に駆けつけてきたほど。高齢で退会者が出る一方、ここ数年、新規入会者も着実に増えているという。
問い合わせは石崎勝也事務局長(℡090・2749・1937)。