関東大震災(1923年)から88周年の1日、東京、神奈川、千葉、埼玉など、関東地区の民団は、同大震災の混乱時に日本軍・警察や各地につくられた自警団などによって虐殺された数千人にのぼる同胞の冥福を祈る追悼式を、今年も各地で開き、事件の真相の究明を求めるとともに、二度とそのような悲劇を繰りかえさせないとの決意を新たに、地域での共生共栄社会構築へ尽力することを確認した。
東京・港区南麻布の韓国中央会館で営まれた第88周年関東大震災殉難同胞追念式には、民団中央本部の鄭進団長、黄迎満議長、金昌植監察委員長ら幹部、婦人会中央本部の余玉善会長、民団東京本部の幹部、各支部支団長、婦人会、青年会の幹部をはじめ160人が参列した。
東京本部の金保雄副団長は経過報告で「関東大震災の悲劇は、天災であると同時に人災でもあった。韓国人は虐殺にあっても国がないため抗議はもちろん、調査要求もできなかった」と述べ、震災後88年、戦後66年の今日もなお、日本国家が犠牲者に対する補償責任を果たさず、事件の全貌が明らかにされていないことを批判した。同時に「われわれの生活権拡充運動や地方参政権獲得運動は、そのような悲劇が繰り返されないよう、真の善隣友好への懸け橋をつくるものでもある」と強調した。
鄭進中央団長による代表献花の後、金龍濤東京本部団長は追念辞で「この地に子々孫々が安心かつ平和に暮らしていけるよう、同胞の権益擁護とあわせて居住地域における共生共栄社会の構築へ、同胞が団結して尽力する」ことをあらためて表明した。
参列者は、金辰植駐日大使館総領事、中央本部役員・顧問らを先頭に献花し、同胞犠牲者の冥福を祈った。大震災が起きた午前11時58分を期して全員が起立して黙祷を捧げた。
(2011.9.7 民団新聞)