道民の募金で実現
【兵庫】望郷の念を抱きながら様々な事情で故郷済州の地を踏むことができないままだった在日1世11人が、道民の募金で念願の帰郷を果たすことができた。
募金は済州道が解放後、在日同胞たちの支援で発展してきたことに感謝しようと、済州共同募金会や済州MBCが呼びかけた。韓国での実務は社会福祉法人済州共生の希望院(朴静海院長)が引き受け、日本での対象者探しは故郷の家・神戸が担当した。
参加者は71〜96歳まで。なかには解放後1度も故郷に帰ったことがないというお年寄りも見られた。こころの家族では疑心暗鬼になっている対象者を説得し、旅券の作成にも立ち会った。さらに空港までの交通費や訪韓準備金まで用意した。
5日から8日までの滞在期間中、ニュースを見てホテルに訪ねてきた国内の家族、親戚との劇的な再会劇が毎日のように繰り広げられた。中には25年以上も音信不通だった妹との出会いを喜ぶ姿も見られた。参加者は「死ぬ前に1度は来てみたいと思っていた故郷に来られて、人生これ以上うれしいことはありません」と口をそろえていた。
道は「在日済州人故郷訪問事業」として来年以降も継続していく。
問い合わせは故郷の家・神戸(℡078・651・1555)。
(2011.10.19 民団新聞)