【ソウル】呉世勲市長の辞職に伴うソウル市長選挙は10月26日に投・開票され、野党圏統一候補の朴元淳氏(弁護士)=無所属=が、与党ハンナラ党の羅卿瑗最高委員を抑えて当選した。
得票率は朴氏が53・40%、羅氏が46・21%。朴氏は20・30・40代や無党派層から圧倒的な支持を受け、25区中、江南3区と龍山区を除く21区で圧勝した。
1995年に広域自治体(日本の都道府県・政令指定都市に相当)の長の公選が始まって以来、無所属の候補者がソウル市長に当選したのは初めて。
市民運動家出身の朴氏は当選後の記者会見で「市民が権力に勝ち、投票が古い時代に勝った。今日、われわれは新しい時代を選択した。市民の怒り、知恵、行動、代案が一つの巨大な波となって勝利した」と強調した。
朴氏の勝利は、市民の既成政党不信、新しい政治に対する熱望が噴出した結果とみなされている。来年の国会議員選挙(4月)と大統領選挙(12月)の「前哨戦」ともいわれたソウル市長選で無所属候補が当選したことで、政界の大幅な再編は避けられなくなった。
国会議員選挙を前に、ハンナラ党はもとより、今回のソウル市長選挙で独自候補を擁立することができなかった野党第1党の民主党も生き残りをかけて再編を模索するものとみられる。
11基礎自治体長中ハンナラ8人当選
なお、同日に行われた11基礎自治体長の再補欠選挙でハンナラ党は、野党が「釜山市・慶尚南道地域の橋頭堡」として関心を寄せていた釜山市東区のほか、同党が候補者を擁立した7自治体(江原道麟蹄郡、慶尚南道咸陽郡、忠清北道忠州市、大邱市西区、慶尚北道漆谷郡、忠清南道瑞山市、ソウル市陽川区)全てで当選した。これに対し民主党は、候補者を擁立した7自治体のうち、全羅北道南原市と同道淳昌郡を除く5自治体で敗れた。
中央選挙管理委員会の発表によると、ソウル市長補欠選挙は全有権者837万4067人のうち407万81人が投票、投票率は48・6%。再補欠選挙全体の平均投票率は45・9%で歴代最高だった。
朴元淳ソウル市長 1956年3月慶尚南道昌寧郡生まれ。ソウル大学中退。80年に独学で司法試験に合格。地検検事を経て弁護士に。94年市民の政治参加を訴える非政府組織(NGO)「参与連帯」の創設に参加。2000年の第16代国会議員選挙において「落選・落薦運動」主導。その後、韓国に寄付文化を広げるための「美しい財団」を創設。06年に市民参加型政策シンクタンク「希望製作所」を創設するなど行動派の弁護士として知られる。
(2011.11.2 民団新聞)