式典会場の入り口には、「65年の歩み」を振り返る約70点の写真パネルが両側壁面に張り出された。参加者はしばし足を止め、懐かしそうに見入っていた。
主な構成は民団草創期が約10点、在日学徒義勇軍や新韓銀行など、在日同胞の祖国への貢献をテーマとしたものが25点、在日社会のために奮闘した様子を活写した25点、力道山や大山倍達などの人物を生き生きと映し出したものなど。
10年前に留学で来日したという韓相榮さん(民団栃木本部事務局長)は民団草創期の写真を見ながら、「在日同胞が一つだった時代もあったんだな」と感心した表情だった。卞鐘彦さん(民団千葉本部団長)は、建国促進青年同盟千葉本部のメンバーが会館前で勢揃いした写真を前に、「このなかに知っている人はいない。半分はすでに亡くなっているんでしょうね。歴史を感じる」と語った。
ある在日同胞は、大山倍達と一緒に収まった「韓国青年同盟空手部メンバー」の1人を指さしながら、「私の父親です。これを誇りにしている」と笑顔を見せた。
李根さん(民団宮城本部団長)は、「どの写真からも歴史の重みを感じる。65年前からこういう組織があったからこそいま、われわれが東日本大震災の被災地の支援にあたれる。被災地から贈られた感謝の言葉を先輩たちに贈りたい」と語った。
(2011.11.23 民団新聞)