民団中央本部は3日、東京・港区の韓国中央会館大ホールで第5回MINDAN文化賞(中央民族教育委員会主管)の受賞者を表彰した。栄えある受賞作に選ばれたのは論文・論壇、詩歌、写真、孝道の4部門で計49人1団体の50点。詩歌と写真部門では3年ぶりに「最優秀賞」が選ばれた。作品は全国各地の613人から計1068点が寄せられた。
3年ぶりに「最優秀賞」 詩歌写真
▽論文・論壇部門
論文部門は李真熙さん(大学院、東京)の在日新世代の新しい生き方を模索しようとする「『在日』の今とこれから‐1950年代、1980年代生まれの在日を手がかりに」が、「優秀賞」に選ばれた。特に、在日を肯定する場を韓国に求めた点が「斬新」と評価された。李さんは26歳。「こんな若者に受賞のチャンスを与えてくれた」と感激をあらわにしていた。
論壇部門では、李月仙さん(長野)の「別れと巡り逢い」が、論壇の企画から外れるものの「秀逸のエッセイ」とされ、「功労賞」を獲得した。
▽写真部門
「最優秀賞」に選ばれた金栄培さんの応募作品「中野支部大韓民国独立慶祝(1948年8月15日)」は、同支部で祝宴に興じる団員のほとばしるような喜びの声が聞こえてきそうな作品。「優秀賞」に選ばれた2作品はいずれも組み写真で、審査にあたった呉徳洙監督は、「一点では表現できない物語性を大事に選んだ」と話している。金さんは「私には重い賞」と述べた。
▽詩歌部門
詩歌部門は時調、三行詩、俳句、短歌、自由詩(韓国語、日本語)と幅広い。このうち金聖礼さん(東京韓学初等部6年)の自由詩(韓国語)が「最優秀賞」を獲得した。評者の金時鐘さん(詩人)は、「発想と気宇の壮大さに久しぶりの興奮を覚えた」と高く評価した。聖礼さんは「これからもたくさん書いて賞をいっぱいもらっていきたい」と意欲満々だった。
審査員の一人、金一男さん(「時調(三行詩)の会」事務局幹事)は、「自分の心に浮かんだものを素直に書いていこう。たくさん書いて来年、またこの場で会いましょう」と激励した。
▽孝道部門
韓国に伝わる「孝」をテーマにしたエッセイ部門。数多くの応募作の中から金周煥さん(自営業、兵庫県)の「オモニの100歳誕生日」が「駐日大使特別賞」に輝いた。審査にあたった中央民族教育委員会の李秀夫委員長は、「たくさん涙を流した。感動した」と講評した。
入賞者にはそれぞれ、賞状と副賞、記念品が贈られた。施賞を前に民団中央本部の林三鎬副団長が鄭進団長の祝辞を代読。丁榮哲文教局長が経過報告を行った。
(2011.12.7 民団新聞)