植民地時代の韓国で、出会った2人の少年の数奇な運命を描いたカン・ジェギュ監督の新作「マイウェイ 12,000キロの真実」(配給=CJ Entertainment Japan/東映)が全国で公開されている。
主人公は、憲兵隊司令官の祖父を持つ辰雄(オダギリジョー)と、使用人の息子ジュンシク(チャン・ドンゴン)。走ることが好きな2人は、オリンピックのマラソン選手を目指すライバルとして成長するが、ある事件をきっかけにジュンシクは、日本軍に強制徴用される。
前半には植民地時代の1936年、ベルリン五輪のマラソンで「日本代表」として出場し、優勝した孫基禎さんが登場する。孫さんがジュンシクに語る場面では、2人の思いが重なり合い、胸が熱くなる。
モンゴル国境地帯のノモンハンの戦場でジュンシクは、上官として現れた辰雄と再会する。ソ連軍の捕虜となった2人は、ソ連兵として、さらにドイツ兵としてノルマンディーの戦いにも参戦することになった。
戦争に身を投じながらも、夢を諦めないジュンシクと、その姿を通して変化していく辰雄の2人の感情を見事にとらえながら、生き続けることの意味を投げかける。
(2012.1.18 民団新聞)