民団中央本部(鄭進団長)は2月13日、文部科学省を訪れ、朝鮮高校への授業料無償化適用に関して、慎重を期すことを求める申し入れ書を提出した。
同書では朝鮮高校は運営面、教育内容面で朝鮮総連の指導のもと、北韓の完全なコントロール下にあり、日本社会一般の常識をはるかにこえる教育指導が行われており、修学支援金が朝鮮総連の支援につながることを憂慮するとし、仮に支援金適用の際には、文部科学省から特段の指導をすべきであると述べている。以下、申し入れ書の全文。
文部科学大臣 平野 博文 殿
朝鮮高級学校「高校授業料無償化・就学支援金支給制度」についての申し入れ書
在日本大韓民国民団中央本部
団 長 鄭 進
謹啓 時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は国政にご尽力されておられる貴殿に対し深甚なる敬意を表し申し上げます。
現在、文部科学省が進めております、「高校授業料無償化・就学支援金支給制度」(以下、就学支援金と表す)に関する朝鮮高級学校(以下、朝鮮高校と表す)の取り扱いについて、私ども在日韓国人60万人を代表する組織である在日本大韓民国民団(以下、本団と表す)は、以下の通り申し入れるものであります。
貴殿におかれましてはその趣旨をご理解いただき、ご検討いただくようお願い申し上げます。
1.朝鮮高校の設置者に対する就学支援金の支給について、一部に朝鮮高校とほかの外国人学校との間に差を設ける必然性はないとか、子供の教育を受ける権利を保障すべきだとの意見がありますが、本団は朝鮮高校を支給対象に含めるかどうかについては慎重を期する必要があると考える ものであります。
2.本団は「民族教育」や子供たちの「教育を受ける権利」を否定するものではありません。それどころか、これらの権利は当然に保障されるべきものと考えています。問題は教育を受ける子供たちの側にあるのではなく、教育機関たる朝鮮高校そのものにあるのです。貴殿もご承知の通り、朝鮮高校は運営面においても教科内容の面においても、また教育全般面においても朝鮮総連の指導を通じ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の完全なコントロール下にあり、日本社会一般の常識をはるかに越えるような教育、指導が現在も変わらず行われています。
以上の点から、就学支援金が「民族教育を受ける権利」を有する生徒個人への支援ならいざ知らず、本來の趣旨から外れて実際には朝鮮総連への支援に繋がることを憂慮するものであります。
仮に就学支援金の支給対象に含めることになる場合には、教育内容と運営の全般的において文部科学省から特段の指導を講じることを条件に付するべきであると考えます。
以上
(2012.2.20)