掲載日 : [2003-07-02] 照会数 : 3947
兵庫阪神にデイサービス「ウリチプ(わが家)」開設(03.7.2)
[ ハルモニ、ハラボジたちを激励する嚴支団長(後方左側、背広姿) ]
「楽しみ増えた」と好評
神戸市から助成金、民団で初…早速20人が1日楽しむ
【兵庫】在日同胞社会も高齢化が深刻化してきている中、言葉や文化の違いから十分な公的福祉サービスが受けられない、独り暮らしや引きこもりがちなお年寄りたちの憩いの場として、民団阪神支部(嚴昌燮支団長)は6月26日、月1回のデイサービス「ウリチプ(我が家)」をスタートさせた。
会館を利用して敬老会などを開く支部はあったものの、神戸市から助成金を受けてのサービスは県内で初めて。「少しでも1世のお年寄りたちに感謝の意味も込めて、楽しんでもらえたら」と嚴支団長。日本人の参加も歓迎している。
神戸市灘区と東灘区、芦屋市の約1000世帯(3200余人)を管轄している同支部で、65歳以上のお年寄りたちは350余人にのぼる。以前、地域の民生委員が、戸籍取り寄せについて知りたいという1世のハルモニを支部に連れてきたのがデイサービス開始のきっかけ。高龍弘組織課長は「1世たちが支部に気軽に足を運んでもらえるには、どうしたらいいのか」と暗中模索し、同支部職員らが1年をかけて奔走、オープンの日を迎えた。
当日、男性4人を含む20余人のハラボジ、ハルモニたちが支部を訪れた。2階会議室には、婦人会同支部(趙孝行会長)のオモニたちや支部職員、神戸大学のボランティアの学生らが作った、チヂミやイカフェ、大根のスープなど韓国料理がテーブルにずらりと並んだ。職員の「マシッケ、トゥセヨ!」の声にハラボジ、ハルモニたちは「モッケスムニダ!」と元気よく答え、さっそく美味しそうに頬張っていた。
灘区から参加した宋丙生ハルモニ(81)は「この年で楽しみが一つ増えた。友達にも会えてうれしいし」と友人との昔話を楽しんでいた。午後からは、韓国ノレや簡単な運動などで体を動かすなど、楽しいひと時を過ごした。
またリフレッシュタイムとして予約順での20分間のマッサージは有料ながら通常の半額で利用できる。嚴支団長は「お年寄りたちが楽しく集まることができる場として、団員とのつながりを密にしていきたい」と話し、参加人数が増えればサービス日程も増やす方向で行政と連携していくとしている。
同サービスは第4木曜日、11時半から14時まで。参加費300円。問い合わせは同支部(電話078・841・3800)まで。
(2003.7.2 民団新聞)