掲載日 : [2003-07-02] 照会数 : 3465
デイサービスと相談窓口9月からスタート(03.7.2)
同胞NPO法人と民団支部の連携で
生野区に同胞高齢者支援センター開設へ
【大阪】特定非営利活動法人「在日コリアン高齢者福祉をすすめる会大阪」(大阪市生野区、宋貞智理事長)は9月から民団大阪・生野西支部(夫忠甫支団長)の会館で在日同胞高齢者を対象にしたデイサービス(通所介護所)を始めることを計画している。実現すれば、在日同胞高齢者の介護問題で民団支部と同胞市民運動体が協力しあう初のケースとなる。
民団生野西支部に開設される同胞高齢者施設の名称はデイサービスセンター「いくのにし・うりちぷ(我が家)」。市内在住のおおむね60歳以上の要介護の認定を受けた在日同胞高齢者を主な対象に地域福祉の増進に努める。
サービスはお風呂、同胞高齢者のニーズにあった家庭料理サービスとレクリエーション、リハビリ、鍼灸マッサージ、カラオケなど。送迎や日々の健康チエックも行う。開設は日曜日を除く毎日で20人から30人ほどの利用者を見込んでいる。
センターでは常設の各種相談窓口を設けて当事者から生活上の悩み、家族からも介護の心配ごとを聞いていく。これは同胞高齢者の多くが言葉の問題のため結果的に行政の福祉サービスから取り残され、行政の福祉サービスを十分に受けられないできたため。「すすめる会大阪」ではこうした現状を少しでも改善していく契機にしていきたいと話している。
「すすめる会大阪」は97年の発足以来、行政や関係機関・地域住民と連携を図りながら在日同胞高齢者のための「1日デイサービスと健康・生活相談」などに取り組んできた。昨年9月にはこれまでの取り組みの集大成として大阪市生野区の旧大阪商銀跡地に在日同胞高齢者福祉サービスの拠点として「大阪多民族共生人権総合福祉センター『ぱだ(海)』」をオープンした。
宋理事長は当初から民団生野西支部に会館の使用を申し入れてきたが、民団側は支部統廃合の問題を抱えていたため許可できずにきた。民団支部ではその後も検討を重ね、今年5月の支部総会で「すすめる会大阪」との提携を決議した。
(2003.7.2 民団新聞)