バクチ。この響きには人を吸い込む何かがあり、きらいじゃない。沸き立つような楽しさも適度な緊張感も一度は味わってみるべき。人々の性格が徐々に浮かび上がってくるのも見ていておもしろい。
1世たちは若い頃、金銭的にも精神的にも余裕がなかった。だから数え切れないほど、人生のバクチを打ったはずだ。頭に血が上れば負けだが、1世は3勝2敗くらいで生き残ってきた。そんな精力的な1世が団結し、まとめ上げ、後世に残してくれたのが民団だ。
その民団はすでに生きるために団結する場から、存在意義を求める団体へシフトしている。
何せ我が強すぎる民族性ゆえに、常に強気であまり退くことを知らない。ぶつからなければ分かり合えず、ぶつかりすぎれば壊れてしまう。だからこそひっぱっていく一流の在日が必要だ。だが、これは意識して育てないと輩出できない。追い続けてみたい大きな背中が次第に減っている現状もある。
それでもビッグな夢を持ち、独立心は旺盛である。この負けん気こそ私たちの強みだ。
仲間を思いやり、交流の場をつくるだけではなく、大勢の在日を引き寄せるエントランスが必要だ。固定観念をぶっ潰し、グッとくる粋なリーダーを増やすために何ができるかを考える。口先だけじゃいけない。率先する人にこそ魅力を感じ、大切な時間を共にしたいと決意できる。意識の部分で絆を深め、いけると思えばデカく張る。そしてその先にあるものをみんなで勝ち取る。
民団を通して魅力あふれる同胞を広げ、繋げていくために、お金では買えない私自身の人生を賭けてみようか。(K)
(2012.3.14 民団新聞)