高官爆発事件以来29年ぶり
李明博大統領は14日、中国・北京での韓日中首脳会議後にミャンマーを国賓訪問し、首都ネピドーでテインセイン大統領と会談した。韓国大統領のミャンマー訪問は1983年10月9日にラングーン(現ヤンゴン)で起きた北韓による当時の全斗煥大統領を狙った暗殺未遂事件(ラングーン爆弾テロ事件)以来、29年ぶり。
李大統領は、15日には旧首都ヤンゴンで民主化運動指導者のアウンサン・スーチー氏と会談。さらに、全斗煥大統領に随行した副総理、外交部長官ら高官、記者ら17人とミャンマー政府関係者ら計21人が北韓特殊工作員の爆弾テロで死亡した現場であるアウンサン国立墓地を参拝、献花した。その後、同日夜に専用機で帰国した。
テインセイン大統領との首脳会談では、ミャンマーに対する韓国の有償・無償援助の規模を拡大し、セマウル運動をはじめ韓国の開発・発展の経験をミャンマーと共有することで合意した。
テインセイン大統領は、「国連安全保障理事会が09年の北韓の核実験直後に採択した決議1874号を順守する」と表明。また「現在、大量破壊兵器の開発や核開発をめぐる取り組みはない」とし、北韓との核開発協力説を否定した。
スーチー氏との会談後、共同記者会見を行った李大統領は、前日のテインセイン大統領との首脳会談について「国連安保理決議に違反している北韓と国際規範に反する取引をしないよう、ミャンマー側に求めた。(ミャンマーの)民主化が順調に進み、韓国との協力が一層深まるだろうと述べた」と伝えた。
李大統領は、スーチー氏との会談では、「ミャンマーの民主化と経済発展への支持」を表明し、「経済再生のために民主主義が犠牲になってはならず、民主主義は経済の再生と同じくらい重要だと話し合った」と明らかにした。
李大統領は、アウンサン国立墓地では、爆発地点から4、5メートル離れた所で献花。「ミャンマー新政権が発足した後、最初の国賓として訪問したため、アウンサン廟を訪れるのが礼儀だと考えた。ここでわが国の高位官僚ら17人が犠牲となった。20世紀にあり得ないことが起きた場所でもある。このような歴史が再び繰り返されてはならない」と強調した。
(2012.5.23 民団新聞)
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