掲載日 : [2003-09-18] 照会数 : 3593
介護士130人 婦人会大阪ヘルパー研修から(03.9.17)
[ 「小路サンポラム」でヘルパーを務める玄明子さん(右) ]
巣立つ介護の担い手
同胞高齢者の自立支援…事業所やNPOで活躍
【大阪】婦人会大阪府本部(李貞烈会長)主催の2級ヘルパー養成講座を修了、有資格者となった婦人会員が様々な介護の現場に進出している。同胞のお年寄りの望む家事援助ができ、母国語で会話できるのは大きな強み。事業所やNPOなどから引っ張りだことなっている。
婦人会大阪府本部の2級ヘルパー養成講座は00年から始まった。当時の余玉善会長(現在、常任顧問)が行政とタイアップするなどしてレールを敷き、ほぼ年1回ずつ実施してきた。これまでの修了者は90人余り。このほか、同時期に大阪府・市の講座を受講した婦人会員も加えると、有資格者は130人を超す。
有資格者となった一人、玄明子さん(62)は大阪国際理解教育研究センターの運営する在日同胞高齢者のためのデイサービス施設「小路サンポラム」に勤務するようになったが、決めてとなったのは済州道の方言、風俗、習慣などを理解できることだった。ハルモニは玄さんにだけは心を開き、自分史や家族のことを話している。
朴守烈さん(59)は今年から生野区内の訪問介護事業所に採用されて6カ月間、独り暮らしで痴呆のハルモニ(86)の世話を担当した。事業所でも「言葉の問題があり、日本人ヘルパーではサービスがいき届かず、限界があった。朴さんは貴重な存在」と喜んでいる。
朴さんは夕方からハルモニ宅で好みのフェや肉の料理とスープを用意、掃除・洗濯もこなしてきた。「在日同胞の高齢者らと接し、かけがえのない体験をしている。これもヘルパー講習のおかげで感謝している」と話している。
同本部によれば、このほかにも車イスで乗り込める介護タクシーを運転するために必要な2種免許まで取得した婦人会員もいるという。
同本部の金春子・黄達英両副会長は、「ホームヘルパー2級養成講座の出身者たちは道ばたで会っても、皆イキイキとしています。受講当初は義務感からであったとしても、いまは資格を取って良かったというのが大半のようです」と語った。
李会長は「行政から認可を降ろしてもらうまでは時間がかかったが、いまはすっかり定着した。これからも年に1回ずつ実施して高齢化社会の担い手を育てていきたい」と話している。
2級ヘルパー養成講座についての問い合わせは電話06(6371)3894、FAX06(6371)3575、婦人会大阪府本部まで。
(2003.9.17 民団新聞)