掲載日 : [2003-09-26] 照会数 : 9310
<韓国国体>注目の在日代表選手 <4>京都韓学野球部
10/10開幕の韓国国体・在日代表選手
注目の選手<4> 京都韓国学園野球部
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甲子園まであと一歩、母国で再び白球追う
「魂・感謝・感動―オル・カムサ・カムドン」。
力強い韓国語と日本語のメッセージが京都の西京極球場に響いた―。7月12日に開かれた全国高校野球選手権京都大会の開会式で、抽選会で1番クジを引いた京都韓国学園の李良剛主将が韓国語を交えて選手宣誓した。韓国語を交えた宣誓は高校野球の歴史上初めてだ。
李主将は宣誓の冒頭に続き、最後も韓国語の「国境と人種と争いを超え一つになる高校野球の感動を、ここ京都から築いていきましょう。ありがとうございました」結んだ。宣誓の右手がおろされた瞬間、スタンドからはひときわ大きな拍手がわき起こった。
スタンドには京都韓学の李愚京理事長はじめ関係者や李鍾源さん金陽子さんの李主将の父母も、一言ひとことを聞き逃すまいと耳を澄ませた。宣誓を聞き終えた両親とも「よく頑張ってくれた」と鳴り響く拍手の中で目頭を押さえた。
宣誓文の骨子は3年生部員全員で考えた。韓半島の平和を希求するかのように、国境と人種と争いを超えた平和を訴えたかったという。
同校の硬式野球部は99年4月に部員2人だけで創部し、一カ月後には部員が14人に増えたが、中学校での野球経験者はわずか一人だった。現在の部員数は24人(3年8人、2年3人、1年13人)。4年前に0−34の大敗で公式戦デビュー。チームは3年目で初勝利し、昨夏はベスト16、今回は堂々の8強と着実な躍進を果たした。
李良剛主将は「1点取れば相手も慌てる。絶対に打ってやろうと思っていた。後輩には甲子園に行って欲しい」と思いを託した。
夏の甲子園が終わり、同校野球部3年生たちは、事実上引退した。
とくに捕手の呉斗(オ・トゥチョル)君(18)とショートの荒木治丞(ファンモク・チスン)君(18)は済州道からの留学生。甲子園に行けなかった想いを込めて母国の地で再び白球を追う。