掲載日 : [2003-10-01] 照会数 : 6813
朝鮮学校生に受験資格 国立大学の半数で(03.10.1)
朝鮮学校卒業予定者にも個別審査で受験資格を認める国立大学が半数以上の56校に達した。9月29日末現在で「外国人学校・民族学校の問題を考える弁護士有志の会」(共同代表=新美隆・丹羽雅雄)がまとめた。
「有志の会」の発表によれば、受験予定者に大学側が認定書を発行したのがお茶の水女子大学、大阪大学など17校、会に口頭で認定の意思を伝えた「実質認定済み」が19校、このほか大学から個別審査について何らかの連絡があったのが20校だった。残り32校についてはまだなんの連絡もないという。
「有志の会」の師岡康子弁護士は「今年最後の大検の申込み期間が9月28日だった。これまでになんの連絡もなかったのは不誠実な対応といわざるをえない」と話している。
「有志の会」は在日外国人の人権問題に取り組む全国165人の弁護士で構成している。文部科学省が民族学校生の国立大学受験資格問題で再検討を表明した今春から文科省に「大学独自の判断で入学資格認定書を交付するのは可能」と申し入れ、各大学にも認定書の交付を迫ってきた。
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文科省の対応批判 京大、記者会見で
【京都】京都大学は朝鮮学校出身者に入学資格を認めることを9月25日に開いた入試委員会で決めた。実施は04年度入試から。
この日の記者会見に臨んだ尾池和夫副学長は、「国の方針転換は京大の求めていたことが曲がりなりにも認められ、一歩前進といえる。しかし、外国人学校の一部を差別しており、内容は不十分。一律に認可してもらいたかった」と文科省の対応を批判した。
京大は今年7月、国立大としては初めて朝鮮学校出身者に入学資格を認めるよう国へ要望書を出していた。
(2003.10.1 民団新聞)