掲載日 : [2003-10-01] 照会数 : 3363
歴史写真収集へ強化 全国一斉に活動開始(03.10.1)
[ 地域の古老の話を聞く青年会員(左)=調布= ]
同胞家庭訪問し調査・収集 1日から
在日同胞の生活史を後世に伝えていこうと、2000年から「我々の歴史を伝える運動」を全国展開している青年会は、10月1日から歴史映像資料を収集する活動を全国一斉にスタートさせる。映像資料とこれまでの聞き取り調査をあわせて、在日同胞の生活史として残していきたいという。
青年会はまず、会員が活動している地域で、地域の会員が一丸となって各家庭を訪問し、写真や8ミリなどの提供を呼びかける。
一方、青年会中央本部のメンバーらは、青森、新潟、佐賀、岐阜、山口、兵庫、西東京など、これまで本格的に資料収集活動を行っていない地方を中心に、巡回活動を行う。
「歴史を伝える運動」は、青年会会員自体がすでに3世世代となり、1世以降の渡日の歴史を知らない、あるいは明確でない世代が増えており、在日韓国人としての歴史を後世にわたって知ってもらおうと計画された。
昨年までに、全国の1世世代、約400人の渡日の経過や解放後の生活などを聞き取り調査して、すでに中間報告書をまとめた。
しかし、後世に理解しやすい歴史を残すためには「目で見る」写真が必要との認識から、今年から映像資料の収集活動に乗り出した。
すでに今年5月には西東京地区をテスト地区として活動をスタートさせたが、10月の1カ月間を「強化月間」と位置づけ、全国一斉に収集活動に入ることになった。
青年会では、全国の同胞家庭に呼びかけ、家庭のアルバムに眠っている在日同胞の歴史の歩みが分かる写真などの映像資料を提供を呼びかけていく。集められた資料は、聞き取り調査とあわせて、在日同胞の足跡として出版物・映像集として作成する。
解放前の写真や解放後の生活相がわかる写真があれば、是非声をかけて欲しいという。「もう一度アルバムを見直して欲しい。歴史を写す写真が残されているはず」と呼びかけている。
(2003.10.1 民団新聞)