掲載日 : [2003-10-29] 照会数 : 4447
外登番号の記入省略 川崎市も実施(03.10.29)
[ 川崎市川崎区役所の外国人登録窓口 ]
大阪、横浜などに続き…在日同胞の苦情申し立て契機に
【神奈川】川崎市は、このほど外国人登録に関する証明書の発行事務において、登録証明書番号を省略した形での登録原票記載事項証明書を発行できるようにした。個人情報の保護を訴えた市内の在日韓国人(民団団員)からの苦情申し立てを受けたもので、各区役所・支所に周知徹底を図っている。
個人情報の漏洩防止へ
この在日同胞は「知人の日本人は住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)では『住民票コード』が郵送で送られてくることから、個人情報の漏洩を心配していたが、私たちは外国人に関する証明書ですでに公にされている。登録証明書番号が書面に記載されていると一抹の不安を感じる」と話す。昨年9月、川崎市市民オンブズマン制度を利用して登録証明書番号の記入を省略してほしいとの苦情申し立てをしていた。
登録原票記載事項証明書には通常、氏名・生年月日・性別・国籍・登録証明書番号・居住地・在留資格・在留期間などの個人データーが記載されている。なかでも登録証明書番号は問題となっている住基ネットの「住民票コード」に相当するもので、書面に記載されていることで個人情報の漏洩につながるのではと心配されている。
オンブズマン事務局が市当局を通じて調査したところ、国の規定でも登録原票記載事項証明書の様式が厳密に定められているわけでなく、最小限の事項が記載されていれば登録証明書番号の記載がなくても有効だった。市は今年に入って各区役所・支所に登録証明書番号を省略した登録原票記載事項証明書の発行が可能である旨を通知した。 ただし、登録証明書番号の欄自体がない証明書の発行には相当な予算措置が必要なため、今回は登録証明書の番号欄に「省略」と記すにとどめた。この証明書は、午後7時までの夜間、土・日曜日も利用可能な各行政サービスコーナーでも発行できるよう、今年の8月までにオンラインシステムの仕様を一部変更した。
市民オンブズマン事務局では「各行政サービスコーナーでも『省略』方式の証明書を出せることを当面、評価したい。将来的には市の公的様式として登録証明書番号を必要的としない様式になるのが望ましい」と話している。
川崎市市民局区政課によれば、登録証明書番号を省略した記載事項証明書の発行は大阪市、東京の新宿区・千代田区など一部地方自治体ですでに実施している。
神奈川県内でも横浜市が選択制、藤沢市と横須賀市では原則記載だが省略も可能だという。身近な行政サービスコーナーでも利用できるようシステムそのものを変更した自治体は、神奈川で川崎市が初めてとされる。
(2003.10.29 民団新聞)