掲載日 : [2003-11-19] 照会数 : 3695
支団長交流会 支部活性化へ相互刺激(03.11.19)
[ 支部運営に尽力する支団長からの質疑が相次いだ交流会 ]
[ 全国の支団長達が交流会終了後デイサービスを実施している西成、布施、泉北の3支部を視察した ]
他支部の事例にヒント…実践への意欲に拍車
支団長交流会では、福祉文化交流全般―の3分科会に別れ、分野ごとに意見を深めた。各支部での様々な取り組みが紹介され、参加者の支部運営のヒントになったようだ。
福祉事業分科会では、中央本部の金基周副団長が「福祉事業の推進について意見交換したい」と強調。すでに先行してデイハウスを開設している泉北、布施、給食サービスを展開している兵庫の阪神支部などが事業の概要を説明した。
様々な意見交換の結果、まず高齢者が集まれるように会館を開放し、条件が整えば自治体と交渉しながら高齢者福祉を進めていく方向性で一致した。また福祉事業を通じて支部の活性化を図ることが目的であることも確認された。
文化教育分科会では、文化交流、韓国語講座などに意見が集中。チャンゴ教室の開催や市民祭りへの参加など、各支部で地域での様々な交流が実施されていることが報告された。また、支部が開設している韓国語講座でも、自治体の広報紙での募集などを通じて、生徒が急増した例なども挙げられた。
韓国語講座は教師の質による影響が大であり、自治体広報紙を活用した生徒募集が必要との意見が相次いだ。また、韓国物産販売による文化交流や収益模索について効果が報告された。
全般事業分科会では、焦点が絞れず困難があったが、地域の日本人や総連同胞との和合など開かれた団体への脱皮が必要などの意見が出された。
意見交換では、支団長からの意見や要望などが相次いだ。支団長らは帰化同胞の受け入れや後継者育成問題、マスコミを活用した民団アピール、「本国よりも在日社会に目を向けるべき」という意見も出された。また、支団長交流会の継続開催を望む声もあがった。
交流会では石原東京都知事の妄言撤回と謝罪を求める決議文が満場一致で採択された。午後から3班に分かれ、福祉事業のモデル支部である西成、布施、泉北支部を訪問した。
支団長交流会は「ウリ支部ウリチャラン運動」の実質的な出発点として貴重な場となった。その一方で、今後の課題として支団長交流会の成果と提起された課題への対処と今回参加できなかった支部への対応が残されている。
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3支部のデイハウス視察
交流会の最後は、大阪でデイサービスを実施している西成、布施、泉北の3支部を視察した。
唯一、通所介護サービスを展開している西成支部では、支部関係者から施設状況や行政との交渉経過などのポイントを聞いた。特に、1世の高齢者らが日本語で意志疎通が取りにくい状況、文化風習の違いなどを行政に訴えた経緯も報告された。また、食事づくりなど婦人会オモニをはじめとしたボランティアの存在が事業の成否に結びつくことが強調された。
一方、布施支部では、将来的にはエレベーターや入浴施設を設置しながらデイサービスへの移行も視野に入れているなどの報告を聞いた。
大阪でのデイハウスの火付け役となった泉北支部でも、開設に至る理由や経過に耳を傾けた。
3支部とも、支部役職員と婦人会などのボランティアなどの積極的な活動が必要とされながらも、高齢者へのサービスを開始したメリットが報告された。
(2003.11.19 民団新聞)