掲載日 : [2003-11-26] 照会数 : 3603
在日同胞歴史資料館 開設推進委員会が発足(03.11.26)
[ 在日同胞歴史資料館開設推進委員会発足に際し記者会見する金宰淑民団中央本部団長(中央) ]
[ 歴史資料館の必要性について説明する姜徳相調査委員会委員長 ]
100年の足跡保存…若い世代に残そう
05年オープンめざす
民団中央本部は18日、解放60年を2年後に控え、在日同胞100年の歴史の足跡を保存し、後に続く同胞たちの精神的支柱として、また歴史教育の現場として機能しうる汎同胞的な「在日同胞歴史資料館」の2005年オープンを目指して、開設推進委員会(会長=金宰淑中央本部団長)を発足させた。
「協力」呼びかける
金宰淑中央本部団長は、同日、東京・南麻布の民団中央会館で行った記者会見で、「歴史資料館」開設の重要性を強調、開設推進委員会の発足を宣言するとともに、同事業に一人でも多くの同胞が積極的に参加してくれるよう協力を呼びかけた。
この呼びかけで金団長は「在日の歴史的起点は、日帝にわが民族、国家が蹂躙されたことに端を発し、乙巳条約を締結した1905年とすることができる」とし、「1945年は、わが民族が解放を迎えるとともに、在日同胞としての新たな歩みが始まった年である。きたる2005年は、在日同胞100年の歴史を迎える年であり、解放後60周年を迎える年でもある」と指摘。「これを契機に、21世紀を迎え、新世紀を歩む在日同胞が、自ら歩んできた歴史を振り返り、在日同胞に関する正しい歴史認識を持ち、在日同胞が生きていく精神的糧とし、希望のもてる将来を展望していかなければならない」と強調した。
さらに、現在、在日同胞社会の正しい歴史認識を啓発してくれる総合的な施設がないばかりか、その歴史資料さえも十分に収集されていないことを指摘、「日本への渡航事情、在日の生活状況、労働運動、民族運動、文化芸術運動など全般にわたる資料(文献・映像・生活用具等々)を収集し、体系的に整理し、それを保存、公開、展示して、在日同胞の正しい歴史を広く知らしめ、ともに考える場」としての「歴史資料館」の設立が強く望まれていることを力説した。
金団長は「これまでも幾多の心ある人々がその必要性を訴え、貴重な努力を重ねてきた。先覚たちの意志を継承しつつ、それを発展させて『歴史資料館』を開設し、若い世代に遺産として残していこう」と呼びかけた。
歴史資料館開設事業は今年3月の第56回定期中委員会で確認されたもの。7月に姜徳相・滋賀県立大名誉教授を委員長とする「調査委員会」を発足させ、資料の所在調査、収集などを進めている。開設事業の本格推進のために開設委員会の結成が緊要となり、18日の開設推進委員会発足となった。金中央本部団長は、同推進委員会委員を代表して許孟道東京本部団長に、また仮称「在日コリアン歴史資料調査委員会」委員を代表して姜滋賀県立大名誉教授にそれぞれ委嘱状を手渡した。
開設推進委員会では、日本社会にも幅広く協力を呼びかける。
(2003.11.26 民団新聞)