掲載日 : [2003-12-24] 照会数 : 7011
一条校認可受ける 京都韓学(03.12.24)
[ 府庁舎で担当課長から認可証を受けとる京都韓学の李校長(中) ]
京都府、半世紀の歴史を評価
「国際学園」に校名変更…来年4月
【京都】日本の学校教育法一条に定められた正規学校を目指していた学校法人京都韓国学園(李愚京理事長、李虎雄校長)は12日、京都府から正式認可を得た。一条校認可取得に伴って今後、学習指導要領に基づく教育が行われる。今後はこれまでの韓国学園の歴史を基礎にした国際理解教育を目指している。
一条校認可取得に伴い同校は4月1日から名称も学校法人京都国際学園京都国際中学校・京都国際高等学校に変わる。来春から入学する新1年生は高校卒業資格が認められる。
国からは助成金が得られるほか、特定公益増進法人としての証明を受けて一般からの寄付金も集めやすくなる。正規の学校となったことで日本社会の受験情報など教育に関する情報も得られるという。
一方、校名から韓国の呼称が消える。カリキュラム編成でも一定の制約がある。ただし、学校側は「現在も一条校に対応したカリキュラムになっており、大きく変化することはない」している。
民族教科は中学校では総合学習の時間を活用、高等学校では各学校の裁量で設置できる特設科目で韓国語、韓国地理歴・史、在日韓国人史などを教えていく。
さらに国際学校としての特色を生かした外国人教育と福祉ボランティア教育、さらにクラブ活動で個人の潜在する能力・技量を引き出す個性育成教育に重点を置く考えだ。
12日、京都府総務部文教課を訪れ、宮本隆司課長から認可証を受け取った李校長は「理事会、教師、民団組織の後押しなど、一丸となって連携したからこそできた。感無量です」と述べた。金安一副理事長は「一条校になったことで生徒は集まりやすくなる。産みの苦しみの後だけに、これから楽しい学校づくり、歴史をつくっていきたい」と話していた。
同校は02年2月、理事会内に「一条校化推進委員会」を設置し、03年4月の第1回評議員会・理事会で一条校を目指すと正式決議していた。この間、教職員編成、グラウンド不足分の確保などの条件整備に務め、正式に認可を得た。
府文教課では「一条校にしては小規模だが47年の開設以来、半世紀にわたって存続してきた事実などから総合的に判断した」と話している。
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関係者の決意と期待
言語教育の充実を図る…李愚京理事長の話
アジアを視野に中国語をカリキュラムに加えようと考えている。そうなれば韓国語、日本語、英語と4カ国語になる。私立校としての特色を鮮明に出したい。
父母の期待裏切らない…宋基泰理事の話
韓国という固有の名前が無くなることの寂しさは人一倍ですが、生き残りのため仕方なかった。ただ、高卒資格を有し、各種国家試験の受験資格を得られる。父母の期待を裏切らないよう頑張りたい。
民団の財産だ支援継続する…金有作民団京都団長
京都韓学は故崔永五理事長をはじめとする諸先輩が私たちに遺してくれた財産だ。財政難だが支援はこれまでどおり継続していく。民団京都本部は「オリニ土曜学校」を今後も実施し、機関誌「民団タイムス」やホームページでも学校をPRして生徒数増員に結びつけていきたい。
「在日」子弟にルーツを教えて…金国振・民団京都本部民族教育委員会委員長
これからは様々な国籍の子どもが入学し、まさに「共生」の学校となるが、「在日」の子どもたちにはそのルーツをしっかり教え、現存する制約を突き破る力を持てるような教育を切望したい。
(2003.12.24 民団新聞)