掲載日 : [2004-02-25] 照会数 : 10127
公明党が衆院提出 地方選挙権付与法案(04.2.25)
![](../old/upload/403c0b6013e81.jpg)
早期実現をめざす…自民党にも継続協力要請
日本・連立与党の公明党は19日、永住外国人への地方選挙権付与法案を衆議院に提出した。同法案は、1999年10月の連立政権政策合意で「成立させる」との政権合意があり、これに基づき公明党は2000年7月に保守党(当時)と共同提案したが、昨年10月の衆議院解散で廃案となっていた。与党・自民党は18日の公明党との幹事長・国会対策委員長会談で同法案の提出を了承した。
法案は冬柴鉄三幹事長と井上義久、漆原良夫の各衆院議員が、同党の衆院議員24人の賛成者を得て提出した。付与する参政権は、地方公共団体の長および地方議会の議員の選挙権で、被選挙権は含まれない。選挙権の付与は、本人の申請基づく。つまり、自ら地方公共団体の一員としてその地方行政に参加して、その意思を選挙を通じて反映させたいと願う人に対して付与される。
法案の提出「理由」として「我が国において多くの永住外国人が日本国民と同様の社会生活を営んでいる現状にかんがみ、その意見を地方における政治に反映させるため、永住外国人に地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権等を付与する必要がある」と強調している。
民団では、94年4月に地方参政権の獲得を権益擁護運動の総括として推進することを確認し、地方自治体議会での意見書採択と日本国会での法制化運動を推進してきた。95年2月には「定住外国人に対する地方参政権付与は憲法上禁止されているものではなく、もっぱら国の立法政策上の問題である」との最高裁判所憲法判断も示された。
この間の民団の粘り強い働きかけもあり、永住外国人への地方参政権付与に賛同する全国自治体の意見書採択数は、全国約3300自治体中1518自治体に至っている。人口比で見た採択率は75・50%にのぼる。ちなみに在日同胞が最も多く居住する大阪府をはじめ神奈川、奈良、石川、長野県では全自治体が地方参政権付与意見書を採択している。
昨年10月の衆議院解散にともない公明・保守両党など提案の地方選挙権付与法案が廃案になった後も、民団では法案の国会再上程と早期成立に向けて、要望活動を精力的に進めてきた。
今年1月の民団中央本部・東京本部合同新年会では、出席した公明党(太田昭宏幹事長代行)をはじめ民主党(海江田万里常任幹事)、社会民主党(福島瑞穂党首)幹部が、あらためて地方参政権の早期実現に尽力することを約束。自民党元老の中曽根康弘・日韓協力委員会会長(元総理)も地方参政権問題について「どういう方法がいいのか、真剣に検討したい」と表明した。
■□
地方参政権今年中にけじめを
金・民団中央団長が冬柴公明党幹事長に要望
金宰淑民団中央本部団長は20日、前日に永住外国人への地方選挙権付与法案を衆院に提出した公明党の冬柴鉄三幹事長の訪問を受け中央本部で懇談した。
冬柴幹事長は、地方選挙権付与法案の内容と提案趣旨についてあらためて説明。同時に、連立与党の自民党の幹部に同法案への理解を深めてもらい、法案成立へ引き続き協力を要請していくことを明らかにした。
金団長は、冬柴幹事長をはじめとする公明党の尽力に感謝を表明すると共に、「来年は韓日国交正常化40周年にあたる。在日同胞の懸案である地方参政権問題は、ぜひ今年中にけじめをつけてほしい」と要望した。
冬柴幹事長は、「(地域に密接な関係を持つ外国人住民への地方選挙権付与という)当たり前のことが、なかなか(国会で)通らないので問題だ。誰かが一生懸命やらなければならない」と述べ、早期実現に力を注ぐことを約束した。
懇談には前中央本部団長の辛容祥常任顧問、具文浩副団長、鄭夢周事務総長、徐元国際局長が同席した。
(2004.2.25 民団新聞)