韓国の〞音〟伝えて20年・入門から中上級まで対応
今月末には無料体験講習開催
在日同胞文化の創造と多文化共生社会を目指して韓国の伝統文化や韓国語の普及につとめてきた在日本韓国YMCAが実施する「伝統音楽教室」が20周年を迎える。チャング、カヤグム、舞踊の3つの教室が設けられ、在日同胞や日本市民ら60余人が学んでいる。
同YMCAの伝統音楽教室は、旧会館時代から成錦鳶カラクを学んだ池成子さんによってカヤグム教室が続けられてきた。チャングや舞踊教室も設置された現在の形になったのが84年。
当時から、カルチャースクールのような形で気楽に韓国伝統の楽器や舞踊が学べるところはほとんど無かった。韓国の伝統文化を学べる貴重な場所として存在してきた。
各教室とも全くの初心者から中上級まで対応してクラス編成されており、受講生の年齢層も幅広い。学んだ成果を披露する発表会もあり、受講生にとっては緊張の中にも充実感を覚える機会ともなっている。
受講生は、少しでも祖国の伝統文化を身につけたいという在日同胞ばかりでなく、近年では日本人が増えているという。訪韓して韓国の文化に魅せられたり、サムルノリに感動してチャングを学びだした人も多い。一方、和太鼓を学んでいる中で太鼓としてのチャングも学びたいと、演奏者の立場から学ぶ人もいるなど、動機はさまざま。しかし「楽しいから」という声が圧倒的に多い。
同教室で学び、より高度な内容を目指して本国で修行してセミプロ、プロになった例もある。指導する講師も、多くが伝統音楽教室出身だ。いわば韓国伝統音楽の登竜門となっている。
YMCAの金弘明さんによると、現在は3ジャンルだが、今後はメロディー楽器を取り入れて見たいという。
8月には3日間のワークショップ「韓国伝統音楽講習会」も開かれる。初心者と既習者にわけて指導が行われるなど、学びやすい環境で実施される予定だ。
一方、より多くの同胞や日本市民に伝統楽器や舞踊に触れてもらいたいと、3月末から4月初にカヤグム、チャング、韓国舞踊の無料体験講習会も開く。今年は3月31日から4月1日、3日に行われる。
問い合わせは在日本韓国YMCA国際文化部(電話03・3233・0611)。詳細は
http://www.ymcajapan.org/ayc/jpで。
(2004.3.17 民団新聞)