掲載日 : [2004-04-30] 照会数 : 3710
地域特性に合わせて多様 ウリ支部ウリチャラン運動(04.4.28)
[ 「つばさの家」で昼食(韓国料理)の給仕ボランティアを行う豊田支部のメンバー
]
共生・福祉活動を推進…韓国語講座、探訪ツアーも
支部組織の活性化のために昨年提起された「ウリ支部ウリチャラン運動」は、支部会館を活用した韓国語講座、福祉事業、地域共生事業への取り組みなど、支部・地域の特性に合わせて多様な形をとりながら推進されている。地域同胞の要望に積極的に応え、団員間の紐帯を強化するにとどまらず、地域の各種行事に参加、韓国および「在日」に対する理解と認識を深め、多文化共生社会の構築にも寄与している。
【北海道】函館支部は、団員が約120人の過疎支部だが、新年会には総連系同胞も含め100人ほどが集まる。函館市をはじめ広大な道南地域を管轄していながら、支部会館を拠点としてハングル講座などの日常の交流を続けている。
2002年には会館の存在を地域にも広く知ってもらおうと、キムチやのりなど韓国の特産物を即売する「うまいものフェアー」を始めた。遠くは松前町から貸し切りバスで2時間かけてグループが訪れて来るほど大好評を博する一方、婦人会員、留学生、日本人も進んで準備に加わるなど、同フェアーを通じて団結力を高めている。
【京都】南支部は団員1500世帯。団費集金は約83%にのぼる。
6年前から団員に対しての活動に力を入れた。渡来人史跡探訪バスツアー、韓国語講座を新設。敬老会も充実化をはかってきた。民団に足を運んでもらい、支部と団員の有機的な関係を作りたかったからだ。
探訪ツアーのバス2台はいつも満席状態。団員からの評判も上々だ。敬老会参加者も年々増加し、昨年は70歳以上のお年寄り140人が参加した。焼肉店を借り切って、食事やノレ、踊りで楽しんだ。例年300人以上が参加する花見は、チャングを打ち鳴らし、飲めや歌えの大宴会となる。
【三重】桑名支部では共生社会の構築に向けて、どうやって地域の人たちに韓国と「在日」を理解してもらうかを模索する中、6年前、支部会館の新築を契機に、これまで同胞のみを対象として開催していた敬老会を、地域の日本人を含むかたちで開催するなど、地域社会に着眼した行事へのチャレンジを試みている。
また学校交流は、5年前に地域の小・中学校からの要請を受け「となりの国を知ろう」、「韓国の文化と在日」をテーマに始められた。昨年は6校へ訪問、3校は生徒が支部を訪問した。韓国や「在日」に関する説明から、韓国の遊び披露、婦人会による韓国舞踊の発表なども行われている。現在、定期交流を進める学校だけでも小・中学校あわせて8校あり、その他にも依頼は増え続けている。
【広島】民団豊田支部の「ウリ支部ウリチャラン運動」は、広島県・安芸津町にある障害者作業所「つばさの家」に毎月2度、韓国料理を提供することだ。
現在、「つばさの家」の指導員として働く能島裕子さんは、元々は養護学校の教師だった。障害者らの自立をどう地域で確立するか10数年にわたって模索し、ようやく98年に作業所を立ち上げたが、その間の苦労を知っている友人、婦人会豊田支部の朱松花さん(総務部長)が思い立ったのが昼食の準備。昨年2月から一人で始めた。
そのことを知った申貴子団長も、同じく本国から嫁いできた気心の知れた仲間。韓国料理なら無理なくできると加わり、昨年6月に創立された婦人会支部の金花子会長も輪になった。
最近では、民団ボランティアの噂を聞いた地域の小学校や中学校から、韓国の踊りやサムルノリなども紹介してほしいという話も来ていると言う。6月には「つばさ祭り」が開かれる。当然のように、民団も婦人会も地域の仲間として関わることが期待されている。
(2004.4.28 民団新聞)