掲載日 : [2004-04-30] 照会数 : 6700
開校から半世紀の東京韓国学校 民族教育への情熱偲ぶ(04.4.28)
[ 勤続25年を振り返り思い出を語る金昌式さん ]
苦難の歩み写真展でも…記念式典
東京韓国学校(孫性祖理事長、金龍満校長)は24日、同校で満50歳の誕生日を祝った。記念式典には歴代の教職員も多数出席、本国からは安秉永副総理兼教育人的資源部長官が駆けつけた。
同校講堂での記念式典には過去、これまで献身的に学校を支えてきた歴代の教育関係者、そしてその指導のもとで力を与えられ巣立っていった多くの同窓生、および中・高校の現役学生ら500人余りが一堂に会した。
式典で安副総理は、民族教育の基盤のもと国際社会に適応できる人材育成を目指している同校の教育方針に深い関心を示し、今後の発展に期待の言葉を述べた。続いて羅鍾一駐日大使も祝辞を述べた。
同校の生みの親とも言うべき民団からは、金宰淑中央本部団長と李時香東京本部団長が壇上に立ち、木造2階建て仮校舎に学生26人で出発した同校の今日の発展の陰に在日1世の涙ぐましい奮闘があったことを忘れないでほしいと強調した。
同校は国際社会で活躍する韓国人の育成を目指して韓国語、英語、日本語の3カ国語による多言語教育を実施、先進の情報通信(IT)教育設備を備え、今春からは在日同胞子弟のための特別教育課程も始まった。
こうした充実した教育環境が整うまでには、幾多の困難があった。苦難の足取りは、同校1階にパネル写真として展示した。
韓国戦争の直後で日本社会が相対的にまだ貧しかった時代に民団中央本部が民族教育実現の一念で旧日本陸軍経理学校だった現在地に建てた草創期の校舎、56年10月に開かれた運動会の入場風景、58年当時の通学バスなど貴重な写真は来場者の関心を集めていた。
式典に続いて図書室で行われたレセプションでは歴代の教育者が想い出を述べた。元校監で多くの生徒から慕われてきた金昌式さんは、同窓生を前に「みんな立派な社会の指導者になっている。いまは虚心坦懐に卒業生に学ばなければならない」と述べた。
政府から褒賞
東京韓学50周年記念式典席上、同校発展に貢献してきた孫性祖理事長に政府褒賞冬栢章、同じく洪性豪前高等部教頭に表彰状が安副総理から贈られた。
(2004.4.28 民団新聞)