掲載日 : [2004-05-12] 照会数 : 3241
「南北軍事会談」への期待 韓国主要紙の論調(04.5.12)
緊張緩和の画期的契機に
一回限りでなく定例化へ
南北は、4日から7日まで平壌で開かれた第14回南北長官(閣僚)級会談で、将官級軍事会談の開催にあらためて合意したものの、時期の確定までには至らなかった。韓国側は早期実現を求めている。韓国主要紙の社説(8日付)は次のとおり。
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今度は約束守らねば
南北が平壌で開かれた第14回長官級会談で、曲折の末、将官級軍事会談の開催に合意した。権虎雄北側団長は、「(北韓)軍事当局が会談開催に同意した」とまで言ったという。会談の実現可能性がそれだけ高まり、鼓舞的なことといえよう。
軍事会談開催の約束そのものは目新しいニュースではない。南北は2月にソウルで開いた第13回長官級会談で、すでに軍事会談の開催に合意していた。それにもかかわらず、北韓側が既存合意を無視して、韓米合同軍事演習の中断を前提条件に掲げ、会談の雰囲気を悪くしたのは遺憾である。
南北会談も交渉の舞台なので駆け引きの過程はあり得る。合意に達するための陣痛が避けられない場合があるだろう。しかし、文書で残した約束まで無視する例が繰り返されれば、信頼の構築は難しくなる。雨降って地固まるのように、論議の末に再び合意した軍事会談が実現し、南北関係の改善に寄与することを期待する。
政府は、5、6月のワタリガニ漁のシーズンに偶発的発生が憂慮される武力衝突を予防するために、軍事会談を申し入れた。6月に西海で2度も南北間の砲撃戦があったため、北韓側も会談の必要性を無視することはできないだろう。すでにワタリガニ漁が始まっているだけに、軍事会談の開催は早ければ早いほどいい。中国漁船の違法操業による被害を減らすためにも、南北軍事当局者の論議が急がれる。
政府は、北韓軍部の態度変化を綿密に分析し、適切な対応策を講じなければならない。軍事的緊張緩和は、相互利益のための非軍事的交流とともに、南北対話の2大目標である。南北が西海上の北方限界線(NLL)周辺の衝突可能性の除去方案を設けることができれば、軍事的緊張緩和のため画期的な契機となるだろう。
(東亜日報)
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合意、今度は守れ
昨日、平壌で終わった南北長官級会談で、南北は軍事当局者会談の開催で一致した。軍事会談の開催をという南側の要求に、韓米軍事演習の中止を掲げて、拒否で一貫していた北側が、決裂直前に、一歩しりぞき合意に至ったのだ。
双方が最後の瞬間まで折衝を行ない、遂に合意点を引き出したことは、望ましいものと評価したい。しかし、今回の長官級会談で北側が示した全般的な交渉姿勢は、残念なものだった。
元来、軍事当局者会談は今年2月の第13回長官級会談で、双方が合意したものだ。したがって、北韓は、それをとうに履行すべきだった。南北関係を順調に進展させるには、双方間の合意事項は必ず履行されるとの原則が守られなければならない。それでこそ、次の合意事項についても信頼が生じ、その結果、双方に望ましい結果が得られるのだ。
北韓は、軍事当局者会談の開催に改めて合意した以上、前回のように遅延作戦を繰り返してはならない。われわれが、この会談を提案したのは、軍事的な緊張状態が緩和されてこそ、韓半島の平和がさらに強固になり得るとの判断からだ。特に、北韓が望んでいる南北経済協力も、緊張が緩和されてこそ、さらに拡大可能なことは、北韓もよく知っているはずだ。
なによりも軍事当局者会談が必要なのは、西海上での南北交戦のような不幸な事態を防ぐためである。そうした偶発的な衝突が再発すれば、南北経済協力の大幅な委縮はもちろん、南北関係の大幅な後退を招く。
したがって、北韓は、偶発的な衝突を防ぐための軍事的措置の講究が、自分たちにとっても得になることに気付き、軍事会談に臨むよう促したい。(中央日報)
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西海緊張なくなるか
第14回南北長官級会談は紆余曲折の末、将官級軍事当局者会談の開催に合意して閉幕した。双方代表団が対立しなんら成果なく決裂するのではないかと憂慮されたが、離別直前にすでに発表した共同報道文を修正してまで軍事会談の開催に合意したのは幸いだった。龍川駅列車爆発事故の被災北側同胞を支援しようとの南側の熱気に、冷や水を浴びせ、失望を与えるところだった。
これまで、南北間に経済協力などでめざましい進展があったが、軍事分野では足踏みを続け限界と指摘されてきたので軍事会談開催は意味が格別だ。何よりも5、6月のワタリガニ漁シーズンに西海上で再び軍事的緊張が高まるのではないかと心配されていたが、この問題を協議する場ができた。
まだ軍事当局者会談が定例化し会談で実質的な緊張緩和方案協議可能なのかどうか確実ではない。北側代表団が最後まで合意履行を遅らせるくらいに、軍部側が気乗りしない可能性が高いからだ。
軍事会談が開かれれば、西海上で偶発的に生じうる南北間衝突の防止策を優先的に論議するだろうが、今後、軍事的信頼構築と軍縮にまで進める土台を作らなければならない。なによりも軍事会談が一回限りのものでなく、定例化されるようにしていかなければならない。(ハンギョレ新聞)
(2004.5.12 民団新聞)