掲載日 : [2004-05-19] 照会数 : 3811
「歴史資料館」来年秋開設へ準備加速(04.5.19)
「総合的施設」めざし多くの「協力」呼びかける
在日同胞社会の正しい歴史認識を啓発、在日同胞の精神的支柱となる総合的な施設である「在日同胞歴史資料館」の2005年秋開設に向け、「在日コリアン歴史資料調査委員会(仮称)」(委員長=姜徳相滋賀県立大名誉教授)は準備作業を加速化している。ちなみに来年は「在日」100年、「解放」60年の節目の年である。
調査委員会では、今秋までに準備作業を終えることしている。「歴史資料館」は図書館的・研究所的資料館を目指すのではなく、多くの在日同胞と日本市民が気軽に利用し、在日同胞の歴史・文化・生活をわかりやすく知ることのできる「博物館的資料館・文化センター・在日ステーション」を目指す。
そのため、日本への渡航事情、在日の生活状況、労働運動、民族運動、文化芸術運動など全般にわたる資料、在日同胞に関する図書、雑誌、ミニコミ紙、映画、ビデオ、映像資料、写真、生活用具等を収集、体系的に整理・編纂し、保存・公開・展示する。その際、「過去」だけにとらわれず、歴史の継承と関連して在日の「現在」の比重も高める。
開館後には、特別展覧会、写真展、映画上映会、歴史と文化の講演会、各種セミナーの開催、在日同胞の歴史・文化関係図書の出版など多様な事業を展開、在日同胞の正しい歴史を知らしめ、共に考える場として、広く内外に開かれ、在日同胞と日本人・アジア各地の人々との相互理解をはかるためにも役立つ施設となるよう、準備に拍車をかけることにしている。
調査委員会では、同事業の準備・推進に一人でも多くの同胞が積極的に協力・参加してくれるよう呼びかけている。
民団中央本部は、「歴史資料館」の2005年開設をめざして昨年7月に「調査委員会」を発足させたのに続き、11月には「開設推進委員会」(会長=金宰淑中央本部団長)を発足させた。
金中央本部団長は、今年の新年辞でも、「歴史資料館」設立について「過去の歴史を踏まえて現在の在日同胞の生活を照らし明るい未来の展望をつなげていくこの事業は、不幸な過去に拘泥するのではなく、韓日両国民が共生社会を担うという要素も盛り込んだ一大プロジェクトになる」と指摘、在日同胞の総意と民団の総力をあげて実現させることを強調している。
(2004.5.19 民団新聞)