掲載日 : [2004-05-19] 照会数 : 4235
韓国の“今”を箱詰め ビビンボックス(04.5.19)
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韓国文化院が作成…文化紹介アイテム
伝統玩具や即席麺、CD、本など…隣国理解の授業に最適
韓国文化院(柳珍桓院長)が、日本の子どもたちや韓国文化を学ぼうとしている人たちに、「見て・聞いて・さわって」体験しながら韓国文化を理解してもらおうと、韓国の伝統的な玩具をはじめ食器や菓子や風景写真など、韓国の文化が分かるさまざまな品物を詰め込んだ箱「ビビンボックス」を作成し無料(返却時のみ利用者送料負担)での貸し出しを始めた。利用者からは、実際に手にとって韓国文化を学べると好評だ。
「ビビンボックス」の「ビビン」とは、韓国料理の代表格ビビンパプの「ビビン」と同じで「混ぜる」という意味。「ビビンボックス」という名前は、さまざまな韓国の今が混ざっている箱、という意味を込めて名づけられた。
ボックスは縦横奥行きの合計が150㌢、重さが17㌔。中には、韓国のカップ麺や食器、本、CD、韓服、太極旗、ユンノリ(韓国の伝統的な玩具)セット、韓国の風習や伝統行事、名所旧跡の解説付き写真パネルなど、多彩な品物が混在している。
文化院の職員が、文化院を訪れる修学旅行生たちに手軽に韓国の文化を伝えられるものがないと気づいたことと、地方の市町村の国際交流員から韓国文化を紹介する教材がほしいという要望を受けたことがきっかけになって発案された。
「ビビンボックス」の主な貸し出し対象は、日本の子どもたちと韓国文化を学ぼうとする団体やサークル。日本の子どもたちがこれからの韓日のパートナーシップ確立のために重要な役割を担うことになるという未来志向の考えに基づき、日本の子どもたちに「見て・聞いて・さわって」韓国の今を体験してもらい、韓国に少しでも興味を持ってもらいたいとしている。
「ビビンボックス」は運用をはじめてから1週間で、既に2件の貸し出しを行った。利用者の一人、鹿児島県川辺郡川辺町の国際交流員の朴順さんは「『ビビンボックス』をイベントの韓国ブースで使った。訪れた人も品物があると手にとったりと、目に見えるものには効果があった。また、学校訪問をした際には、小学生がハングルや韓国版えびせんに興味を持っていた」と、利用者たちが韓国に興味を示した様子を語った。
また朴さんは国際交流員の立場から、「月に1回のペースで学校訪問をしているので、教材の準備に限界がある。その点で、『ビビンボックス』には個人で集めるのが難しいものまでさまざまな品物が入っていたので良かった。また玩具など、小学校に持って行くのに適したものが入っていたのも良かった」と、利用しての感想を満足げに述べた。
貸し出しを始めた文化院の職員は、ビビンボックスのこれからの動向に期待を見せる。職員の清水さんは「学校の先生方に授業で取り上げてもらいたい。小・中・高の時期に興味を持ったことが将来を決定づけるのでその時期に少しでも韓国に興味を持ってもらい、韓国ファンになってもらえたら」と話した。また、職員の小田切さんは「同胞が多く住む地方では身近に韓国と接する場所があるが、地方にはない。なかなか韓国に接することができない人たちの役に立てれば」と語った。
また文化院は、将来的には民団の各地方本部や各都道府県の図書館などに協力を仰ぎ、各都道府県に一つの「ビビンボックス」を設置する計画をも視野に入れて、韓国文化の普及に努めていく所存だという。
(2004.5.19 民団新聞)