掲載日 : [2005-03-16] 照会数 : 7827
指紋押捺拒否の在日ピアニストが演劇に(05.3.16)
[ 崔善愛さん ]
崔さんモデルの演劇 「最終目的地は日本」
韓国で今月、東京は来月上演
指紋押捺を拒否したまま留学し、永住権を失った在日韓国人3世のピアニスト・崔善愛さんをモデルにした木山事務所公演「最終目的地は日本」が今月の韓国公演に続き、4月に東京で上演される。
モデルとなった崔さんは1981年1月、21歳で指紋押捺を拒否したために83年11月、福岡地裁小倉支部に起訴された。その後再入国の許可が下りないまま、ピアノの勉強のため米国に留学したことから特別永住資格を失った。
85年から98年に法務省を相手に起こした指紋押捺拒否と再入国許可取り消し訴訟の裁判で、敗訴。2000年の法改正によって、永住権が14年ぶりに回復した。
物語は在日韓国人3世のピアニスト・河松愛が、2つの裁判を起こして以来、地裁、高裁、最高裁と敗訴を重ね、2000年の法改正により、永住権を回復するまでの20年間の半生を描いている。指紋押捺拒否をめぐる日本政府との裁判を軸に据えた重厚な作品となった。
脚本は「鹿鳴館異聞」「仮名手本ハムレット」などを手がけた、堤春恵さん。崔善愛著「『自分の国』を問い続けて」(岩波ブックレット)を底本にして舞台化した。出演は若村麻由美、水野ふゆ、児玉泰次ほか。
〈公演日程〉
ソウル=24・25日/世宗文化会館小劇場▽釜山=28・29日/釜山市民会館▽東京=4月13日から17日/俳優座劇場。問い合わせは、木山事務所(℡03・5958・0855)
(2005.3.16 民団新聞)