掲載日 : [2005-03-16] 照会数 : 8527
民団広島が「つくる会」教科書に加担の教委に是正要求(05.3.16)
【広島】8月の教科書採択を前にした説明会で広島県教委が「新しい歴史教科書をつくる会」に関する情報資料を市町教委に配布していたことが明らかになった。民団広島県本部(朴昭勝団長)をはじめ傘下の婦人会、青年会で構成する代表団は1日、広島県教委を訪れ、「各市町村教育委員会を指導する立場として著しく公平性に欠ける行為」と是正を求めた。
県教委が配布したのはA4版43㌻の「指導主事会議(教科書担当部会)資料」。この日、資料を一覧した民団側は、そのうち8㌻が「つくる会」が作成した会員向けのFAX資料や「偏向教科書を適正化」とする自民党運動方針案を伝えた産経新聞コピーなどで占められているのを確認した。
民団側は「つくる会教科書の採択を働きかけたのではないか」「誤解を受けないように県内各市町村教育委員会に『意図はない』旨を文書で伝えるよう」要望した。これに対して県教委の岡田総務課長は、「つくる会の説明資料8㌻だけ見れば誤解を受けるかもしれないが、関係資料を説明する中での資料である」と担当の指導第一課に代わって代弁した。
広島では04年、東広島市に開校される併設型中高一貫校・県立中学校用の教科書として「つくる会」主導の歴史・公民教科書(扶桑社版)を採択させようとの動きもあった。このときも市民レベルで「民主的な教育行政の変質につながる」との反対運動が展開され、県教委は03年8月、別の社の教科書を採択した経緯がある。
(2005.3.16 民団新聞)