掲載日 : [2005-03-16] 照会数 : 7553
キムチをフランス料理に(05.3.16)
[ シェフのギロダンさんがキムチを使ったフランス料理を披露。このデモンストレーションは大人気(千葉・幕張メッセ) ] [ 月の半分以上はソウルにいる」と話すコラさん ]
世界的仏料理学校日本代表…「キムチ大使」自任のコラさん
100年以上の歴史を有し、世界15カ国で2万人の生徒数を誇るフランス料理の学校ル・コルドン・ブルーで日本地域の代表を務めるフランソワ・グザビエ・コラさん(31)は、キムチに魅せられている。「良さを伝えるため、キムチの大使になりたい」と言い、世界各地でキムチを紹介しているほどだ。彼は、流暢な日本語にときおり韓国語を織り交ぜながら、キムチへの熱い思いを語った。
食材融合・おいしく健康的 世界各国で試食会も
キムチとの出会いは1998年。グルメ商品部のマネージャーをしていた当時、業務で韓国を訪れたのがきっかけだ。その後、淑明女子大学校と共同でル・コルドン・ブルーのソウル校を設立した。
韓国へ行く機会も多く、キムチへの造詣も深まる。コラさんは「色々なところに行くといろんなキムチがある。私の知る限りでも全部で187種類。辛いキムチだけでなくソフトなのもある。ムルキムチや大根のキムチもある」と熱く語る。
また「キムチはフランス人にとってのチーズ、日本人にとっての味噌汁。韓国人にはとても大切なもの」とも言う。
コラさんはただ知識が深いだけではなく、多様な視点からもキムチを見ている。「日本の浅漬けタイプのキムチより韓国の発酵したキムチの方がおいしい。季節によって味、食感が全然違う。日本人には、キムチの文化的、歴史的な部分も伝えたい」
さらに文化としての面などに加え、健康食品としての要素にも注目しているという。「乳酸菌が多く入っていて心臓病予防にもいい。今はスローフード、ウェルビン、ヘルシーがブーム。時機もマッチしている」
コラさんは、キムチなどを使ったフランス料理の普及にも力を注いでいる。例えばキムチとカマンベールのベニエ、キムチのチョコレートケーキなどだ。
キムチの優秀性を知らせるために、世界中にある同校でデモンストレーションを行っている。先月はカナダで実施し、来月はメキシコで開催の予定だ。生徒たちは最初、一様に驚くが、「キムチでこういう料理を作れるとは思わなかった」と関心する。
8日から4日間、千葉県の幕張メッセで行われた世界75カ国・地域の食品・飲料を出展する「フーデックス・ジャパン」で、キムチ風味のブレス風ガレットなどのデモンストレーションを行った。
キムチとフランス料理の組み合わせに、はじめは興味深く見ていた来場者も試食中は「美味しい」と、舌鼓を打っていた。料理を披露した同校講師で三ツ星の一流シェフ、ベルナール・ギロダンさんも新しいアイデアに満足している。
また14日には、キムチをベースにしたフランス料理で、20のレシピを紹介する料理本を発売した。英語版とフランス語版で出版し、来年には日本語版と韓国語版も予定している。
1カ月のうち2、3週間はソウルに住む。韓国ドラマとエネルギッシュでストレートな韓国人が好きだというコラさん。
思いの強いキムチのために「キムチの大使になりたい」と言うが、望みはそれだけではない。さらに「韓国食のメイン材料の大使になっていきたい」という大きな夢も持っている。
(2005.3.16 民団新聞)