掲載日 : [2005-03-16] 照会数 : 6134
沈黙破った脱北同胞 北韓の帰国者救援訴える(05.3.16)
[ 壇上で紹介を受ける証言者たち ]
【大阪】元在日同胞の脱北者とその家族ら8人が13日、大阪経済大学での証言集会で北韓での迫害と生活苦を訴えた。8人は03年2月から3月にかけて北韓を脱出した人たち。北韓に残した家族への迫害を恐れてこれまで沈黙を守ってきたが、自分たちの境遇を訴えていかない限り北韓での人権状況の改善はないと、この日、初めて重い口を開いた。
集会は「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会関西支部」(代表・山田文明大阪経済大学教授)が主催。支援者ら150人余りが参加した。
97年に中国経由で成田にたどり着いた李春子さんは、脱北を図って2回捕まった。「このときのことは思い出したくもないし、話したくもない」と固く口をつぐんだ。ただ、北に残る娘については「必ず日本に連れてきたい」と決意を述べた。
朴信愛さんの愛娘は一度は脱北に成功したものの、新婚旅行先の中国で北韓当局に再び拉致された。3歳の孫娘が「オンマ」と探しているのを見ると、胸が痛くてならないという。「私が北に帰らなかったら、娘が北で生まれなかったらこんなことにならなかった。親としてあまりに罪深いことをしました」と壇上で号泣した。
このほかの証言者たちも「私たちが表に出て実態を話すことで息子たちや帰国者の救出につながると確信して証言に立ちました。皆さん、助けてください」と訴えた。
最後に主催者を代表して萩原遼さんが「北朝鮮人権法案」の成立を急がなければならないと、あらためて決意を語った。
(2005.3.16 民団新聞)