掲載日 : [2006-05-10] 照会数 : 8978
東京韓学、在日2世教頭そろい踏み
[ 李和枝さん ]
[ 郭盛烈さん ]
母国で教職修業積む…初等部の李和枝さん
厳格で誠実な教育者…中・高等部の郭盛烈さん
東京韓国学校は後任校監(教頭)に2人の在日2世を任命した。初等部は4月1日付で李和枝さん、中・高等部では一足早く昨年10月から郭盛烈さんが就任している。初等部と中・高等部の双方で在日2世校監がそろい踏みしたのは同校では初めてのこと。
「教育は明るい未来を創っていく最善の手段です。遅刻や欠席が多く授業態度も芳しくないような生徒が、周囲の友達に感化されて誠実な生徒として生まれ変わるのもたくさん見てきました。これが教育の力なんだと思います。やりがいのある職業です」と語るのは郭盛烈さん。
81年、技術と数学を担当する教師として同校に赴任して25年、黙々と教育畑一筋に歩いてきた。朝鮮朝の「ソンビ」を思わせる厳格さと、隣のおじさんのような人あたりの良さを兼ね備えた典型的な教育者だ。
慶応義塾大学工学部機械工学科卒。まったく韓国語を話せないまま教職についたため苦労したという。授業中、生徒に韓国語の使い方を教えてもらったことも。同僚の派遣教師との間ではあつれきもあったが、「教育」という共同目標に向かって克服してきた。
「韓国語と日本語、英語の3つの言語を完璧に使いこなせるまでの高い教育水準で日本の各大学への進学率も高くなっている。しかも、民族教育もしっかりできるのが東京韓学の良さ。社会問題になっているイジメがすくないのも東京韓学ならでは。ぜひ、可愛い我が子の教育を任せて下さい」と呼びかけている。
李和枝さんは日本の高校を卒業後、ソウル大学在外国民教育予備教育課程を経てソウル教育大学で学び、トップクラスの成績で教員資格を取得した。輝ける韓国での海外同胞公務員第1号だ。
73年5月からソウル市内の国民学校で臨時講師として経験を積んだ後、正教員として阿 洞にある北星国民学で教鞭をとりこれからというとき、当時の黄哲秀5代校長(本国派遣)から懇請されて赴任してきた。東京韓学では初等部での教員生活33年のベテラン。約2000人の教え子を送り出した。
アボジからは「教育を通じて韓国の力になれ」と諭されて育った。教員になることはあらかじめ約束されていた道といえよう。高校生のとき初めて母国夏季学校に参加、童謡「半月」を聞き「こんなきれいな韓国語が自分の母国語だったのか」と感激。教員として韓国で生きる決意を固めた。
(2006.5.10 民団新聞)